グリーンカーペットに日系人兵士が登場したその理由とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
グリーンカーペットに日系人兵士が登場したその理由とは?

映画ニュース

グリーンカーペットに日系人兵士が登場したその理由とは?

開催中の第23回東京国際映画祭。初日には、六本木のけやき坂に敷かれた全長200mのグリーンカーペットを、大勢のゲストが歩き、話題を集めたが、その中に異彩を放つ一団がいたのをご存知だろうか? それが11月13日(土)公開の『442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』を手がけたすずきじゅんいち監督と、同作品に参加した製作スタッフだ。

腕にはギブスをはめ、車椅子に乗ったままグリーンカーペットを渡ったすずき監督。実は映画祭の数日前に、アメリカで自動車事故を起こし、本来なら長期入院が必要なほどの重傷を負ってしまったのだ。だが、どうしても本作の日本公開の場に立ち会い、大勢の日本人にこの作品を見てほしいという強い思いから、無理を押して帰国したのだった。

とはいえ、まだ1人では歩けないため、当日は車椅子で参加することに。だが、ただでさえ堅苦しいイメージのあるドキュメンタリー作品なのに、自分が痛々しい姿で登壇しては、よけいに悪い印象を与えてしまうのではないか? そう考えた監督は、劇中に登場する日系人部隊の兵士と同じ衣装を取り寄せ、車椅子を押すスタッフに着てもらう案を思いついたという。このアイデアが功を奏し、会場内では「あれはなんだ?」という声が続出。特別招待作品枠目当てで訪れた来場者も、このパフォーマンスで本作が気になったようだ。

ちなみに本作は、第二次世界大戦時に実在した日系人部隊の真実に迫ったドキュメンタリーだ。すずき監督は壇上で「第二次世界大戦は、日本人にとって悲しい出来事の連続でしたが、それと同じように、アメリカに暮らしていた日系人たちも苦しい生活を強いられていました。彼らが組み込まれた日系人部隊が、戦場に送り出され、どんな体験をしたのか? 映画を通して、それを感じ取ってもらいたい」と、本作が日本で公開できる喜びを語ってくれた。

『442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』は、東京国際映画祭では10月27日(水)、30日(土)に上映されるので、興味を持った方は本公開に先駆け、特別上映で一足早くご覧になってはどうだろうか。【トライワークス】

作品情報へ