リアルな“80年代ティーン”に！ヘイリー・スタインフェルドの役作りを支えたのは？
日本で誕生した変形ロボット玩具を“ハリウッドの破壊王”マイケル・ベイが映画化し全世界で大ヒットを記録した「トランスフォーマー」シリーズ。その最新作にしてすべての“はじまり”の物語を、『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(16)のトラヴィス・ナイト監督が描き出した『バンブルビー』(公開中)。その公開に先がけて、本作で主人公チャーリーを演じたヘイリー・スタインフェルドが来日。シリーズの思い出や、役作りについて話を聞いた。
本作はこれまでのシリーズで描かれた時代から遡ること20年前、1987年のサンフランシスコが舞台。18歳の誕生日を迎えたチャーリーは廃品置き場で黄色いビートルを見つけ、すぐさま心を奪われる。ビートルを家に持ち帰った彼女だったが、その正体は声と記憶をなくした地球外金属生命体。チャーリーは戸惑いながらも彼を“バンブルビー”と名付け、友情を築いていく。しかし時同じくして、宇宙から2体のトランスフォーマーが彼を追ってやってくるのだった…。
コーエン兄弟がメガホンをとった『トゥルー・グリット』(10)で、父の復讐を誓う少女を演じ14歳にしてアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたヘイリーも、現在22歳。女優としての活動のみならず、ファッションモデルや歌手としても絶大な人気を集めている。そんな彼女の「トランスフォーマー」シリーズとの出会いは「兄と一緒に1作目を観た」ことだったという。「兄はいま、カーレーサーでありメカニックでもある人で、車がすごく好きなの。それまでは2人で一緒に同じ映画を観て、一緒に楽しむという経験があまりなかったから、すごく鮮明に覚えている」と振り返り、本作以前からシリーズ全作を観ていたと明かす。
それだけに本作への出演が決まったことに格別の思いがあったようで、「本当に興奮したし、すごく光栄なことだと思った」と語るヘイリー。昨年末に全米公開され大ヒットしたことで、改めて自分が大きな作品の一部になったと実感したという彼女は「これまでのシリーズのように大きな地球外金属生命体が戦う要素がありながら、キャラクターに重点を置いた人間味あふれる作品。シリーズの中でも親密で特別な作品だと感じました」と、これまでのシリーズとは一味違う作品になっていることを示唆した。
日本でもスマッシュヒットを記録した『スウィート17モンスター』(16)ではこじらせ気味の現代的なティーンエイジャーを好演したヘイリー。本作でも同じ世代の役柄を演じているとはいえ、その舞台となる時代はヘイリーが生まれるよりも前の80年代。いかにして彼女は“80年代のティーンエイジャー”になったのか？訊いてみるとヘイリーは「両親にたくさん話を聞いて、当時の情報を教えてもらったの」と照れくさそうに笑う。
「それにトラヴィス・ナイト監督もリアルタイムで80年代を経験してきた世代だし、何よりも彼はトランスフォーマーの大ファンで、創り出す世界観がとても充実していた」と、本作で実写映画初挑戦となったナイト監督のイマジネーションの豊かさに敬服し「チャーリーが置かれている環境や、当時の技術や交通手段は馴染みのないものだったけれど、必要があればすべて説明してくれた。おかげで違和感も混乱も感じることなく、すべてリアルに演じることができたんです」と確かな手応えをのぞかせた。
また劇中でヘイリーは、ほとんどのシーンでバンブルビーと共演している。「CGとの演技はこれまでもやったことがあったけれど、今度は2週間ずっとだったから、正気を保っていられただけですごく達成感があった」と笑いながら撮影の様子を振り返る。そして「どんな作品でも、演じる上でチャレンジとなることがある。『バンブルビー』では肉体的にも感情的にもたくさんのチャレンジがあって、今後の女優活動に有益なものになったと思うし、何より自分自身、すごく成長したと感じています」と自信たっぷりに微笑んだ。
取材・文/久保田 和馬
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