小栗旬と星野源が初共演で、昭和の未解決事件に挑む!『罪の声』が2020年に公開決定
●小栗旬(阿久津英士役)
「原作を読み終えたあと、開けてはいけないと言われている扉をあけてしまったような興奮と不安を持ったことを覚えています。この作品を映画化するのか、これは覚悟のいることだなと思いましたが、制作チームにお会いし、皆さんの揺るぎない覚悟をうかがって、その覚悟の一員にさせてもらうことを決意しました。素晴らしいスタッフ、キャスト、そして独特の存在感を持ち、物腰が柔らかく、私自身、時折ただのファン目線で一緒に撮影していることを喜んでしまう、星野源という素晴らしいアーティストと共に作れること。そして、阿久津という人間を通して、数々の声と向き合い、寄り添い、反発しながら、真実の声を聞き逃さないように真相にたどり着けたらと思います。時代が変わろうとしているいま、それでも忘れ去ってはいけない小さな小さな声がある。ご期待下さい」
●星野源(曽根俊也役)
「3年前、とある作品の撮影中にプロデューサーの那須田さんと雑談していたとき。この作品のストーリーを聞き、その発想と恐ろしさに激しく鳥肌が立ったのをいまでも覚えています。「この役を源ちゃんでイメージしているんだ」と言って頂いた時から長い年月を経て、その役・曽根俊也を演じられることを感慨深く、嬉しく思います。そして、随分前から知り合っていた小栗くんとはじめてじっくりとお仕事できること、心から信頼し、尊敬している土井監督、野木さんとまたご一緒できることも本当に嬉しく、幸せに思います。悲劇でありながらも、人間がこの社会で生きる上でとても大切なメッセージが込められたこの作品のなかで、曽根俊也の悲しみと共に生き、演じていきたいと思います」
●土井裕泰監督
「“平成”から“令和”へと時代をまたいでゆくこの春に、小栗旬、星野源という今を代表する2人の表現者とともに、この“昭和”の未解決事件の物語に挑める幸せと責任を感じながら日々現場に立っています」
●塩田武士(原作者)
「“平成”が幕を引き、新しい時代を迎えると、歴史に刻まれる“昭和”のしわが、また一つ深まる。『罪の声』はフィクションであるが、モデルにした警察庁広域重要指定114号は、昭和史最大の未解決事件である。犯人グループは、関西弁のユニークな挑戦状をマスコミに送りつけ、街のあちこちに指示書を貼って身代金を運ばせるという、史上初の劇場型犯罪を起こした。21歳のとき、私は事件に子どもの声が利用されていることを知った。犯人グループは身代金受け渡しの指示書代わりに、子どもの声が入った録音テープを流したのだ。一説には3人の子どもが関わっているとされるが、私は最年少の未就学児と同世代で、しかも同じ関西に育った可能性が極めて高い。どこかですれ違っているかもしれない……そう思った瞬間、全身に鳥肌が立ち、どうしてもこの子どもたちの物語を書きたくなった。それから『罪の声』を完成させるまで、15年の歳月を要した。映像化は容易ではない、と考える自分がいるのは事実だ。しかし、阿久津英士役に小栗旬さん、曽根俊也役に星野源さんと伺ったとき、自分のイメージを超える配役だと膝を打った。その後、キャストとスタッフを聞くにつれ、考えうる限り最高のプロが集ったと興奮した。映画化の依頼を受けてから、プロデューサー陣の本気を感じる機会が幾度もあった。その表れの一つが、硬軟自在に物語を紡ぎ出す野木亜紀子さんによる脚本だ。この映画は総力戦になる、という予感がある。また、そうでなければ戦後最大の未解決事件に立ち向かえはしない。新しい時代を迎える日本で、映画が持つ大きな力を信じて、大作の完成を待ちたい」
文/編集部