『貞子』は感動作だった!?涙なしには見られない“姉弟の絆”にSNSが激震|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『貞子』は感動作だった!?涙なしには見られない“姉弟の絆”にSNSが激震

コラム

『貞子』は感動作だった!?涙なしには見られない“姉弟の絆”にSNSが激震

5月24日に全国416スクリーンで公開され、公開3日間で観客動員15万人・興行収入2億円を突破する大ヒットスタートを切った『貞子』(公開中)。90年代後半から2000年代にかけて日本中を恐怖のどん底に陥れた“Jホラー”を牽引してきた「リング」シリーズの最新作である本作だが、劇場に詰めかけた中高生グループやカップル、10〜20代の若年層の観客からは、予想外の感想が相次いであがっているようだ。

怖いだけじゃない!『貞子』に感動する観客が続出
怖いだけじゃない!『貞子』に感動する観客が続出[c]2019「貞子」製作委員会

本作は心理カウンセラーの秋川茉優が、記憶をなくした少女と出会うことから幕を開ける。彼女が1週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人が人知れず生み育てていた子どもだと知った茉優は、少女と真摯に向き合うのだが、次第に周囲で奇妙な出来事が起こり始める。そして時同じくして茉優の弟で動画クリエイターの和真が心霊動画を撮ろうと団地の火災跡に侵入。動画をアップしたのち消息を絶ってしまう…。

見ると1週間後に死ぬという「呪いのビデオ」の恐怖を描いた1作目『リング』(98)から21年。時代の変化とともにその恐怖の形状を変えてきた貞子だが、長い黒髪と白いワンピースで井戸やテレビから這い出てくる姿は変わることはない。“見ると死ぬ”から“撮ると死ぬ”に変化した本作では、貞子の生まれ変わりと言われる少女であったり、貞子の呪いが誕生した秘密とそのルーツに迫っていく。『リング0 バースデイ』(00)を彷彿とさせるそのドラマ性の高さからは、貞子が恐怖のアイコンであると同時に哀しみを携えた存在であることを物語っている。

和真を捜す茉優は、投稿動画の中に見てはいけないものを発見してしまう…
和真を捜す茉優は、投稿動画の中に見てはいけないものを発見してしまう…[c]2019「貞子」製作委員会

そんななかで観客の心を掴んでいるのは、主人公の茉優(池田エライザ)が消息を絶った弟の和真(清水尋也)を助け出すために奔走していく姿に他ならない。SNS上では「貞子で泣いたの初めて」や「初めてホラー映画で感動して泣いた」、「怖いというより切ない」「悲しすぎて涙がずっと出ていた」などの声が相次ぎ、さらには「『貞子』は感動作だった」と断言する声も。支え合って生きてきた姉弟は、なぜ貞子の呪いに直面することになるのか?そして2人はどのように立ち向かっていくのか。涙なしには見られないその結末に、誰もが言葉を失うことだろう。

もちろん貞子の本領ともいえる“恐怖”描写も忘れてはならない。ショッキングな描写ではなく、じわじわと迫り来る恐怖に重きを置くJホラー映画のスタイルをしっかりと踏襲していく。日本を代表する恐怖のアイコンであると同時に、愛嬌たっぷりで可愛らしい姿をイベントなどで見せてきた貞子ではあるが、油断は禁物。案の定、すっかり油断していた観客たちからは「震え上がるほど怖かった」「じっとりした嫌な空気が出ていた」「ここ数年で映画館で観た映画で一番怖かった」など、その真骨頂に恐れおののく声が止まらない。

【写真を見る】“見たら死ぬ”から“撮ったら死ぬ”へ…日本を震え上がらせた恐怖がさらにパワーアップ
【写真を見る】“見たら死ぬ”から“撮ったら死ぬ”へ…日本を震え上がらせた恐怖がさらにパワーアップ[c]2019「貞子」製作委員会

また現在、東京・有楽町マルイでは本作の公開に合わせて「映画『貞子』トリックアート・フォトスポット展」が6月9日(日)まで開催されており、井戸やテレビから這い出てくる貞子の姿を目の前で体験できるほか、自ら貞子になりきるコーナーも設けられているなど、本作の世界観を余すところなく味わえる展示がもりだくさん。映画を観る前に恐怖に慣らしておくのも良し、鑑賞後に貞子への想いを馳せるのも良し。きっと鑑賞前と後で、その見え方が変わっていることは間違いないだろう。

夏といえばホラー映画と言わんばかりに、本作の公開に合わせて連日梅雨入り前とは思えない猛暑がつづいている日本列島。是非とも劇場で凍りつくような恐怖と予想外の感動を味わい、この暑さを乗り切ってほしい。

文/久保田 和馬

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