『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督、監督最新作は“3人共同監督”!「3色混ざり合ったいびつさも魅力」
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019のラインナップ記者発表会が、6月7日に都道府県会館で開催され、審査員を務める三池崇史監督、荻上直子監督や、『カメラを止めるな!』(17)の上田慎一郎監督と、上田監督と共に新作を手掛ける浅沼直也監督、中泉裕矢監督、埼玉県知事の上田清司らが登壇した。
16回目となるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、7月13日(土)~21日(日)の9日間、埼玉県川口市のSKIPシティで開催。オープニング作品は、上田監督と、『カメラを止めるな!』のスタッフとしても参加していた浅沼直也と中泉裕矢が3人で共同監督を務めた新作『イソップの思うツボ』(8月16日公開)で、ワールド・プレミア上映となる。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭には、2012年の短編『恋する小説家』で初めてノミネートされたという上田監督は、当時を振り返り「バイトをしながら、貯金を切り崩して映画を作っていました」と感慨深く振り返った。
「そのとき、ちょうど同じ短編部門に中泉さんが、長編部門に浅沼さんがいました。7年間のつき合いを経て、まさか共同で映画を監督する日が来るとは。3年間、すったもんだして大変でしたが、3人の色が混ざり合った、いい意味でのいびつさも魅力になっています」。
国際コンペティションの審査委員長は、今年の第72 回カンヌ映画祭監督週間に最新作『初恋』(2020年公開予定)が選出された三池崇史監督が、若手監督の発掘を目的とする国内コンペティション審査委員長には、『彼らが本気で編むときは、』(17)で日本映画初のベルリン国際映画祭テディ審査員特別賞と観客賞をW受賞した荻上直子監督が務める。
三池監督は「僕は30年前にVシネマを作っていました。日本においては、血の消費量が多いただのバイオレンスシネマです(笑)。それを『おもしろい』と言ってくれたのが、土川さんです」と、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭のディレクター、土川勉に感謝する。
「その後、2~3年経って、最初はトロント映画祭のミッドナイト・マッドネスというカテゴリーから『来い!』と声がかかりました。いきなり扉を開けてくれるのが映画祭だと、我々作る側からは感じています。今回は審査する側なので、この映画祭に出して良かったなと、道が開けるように盛り上げていきたいです」と力強く語った。
取材・文/山崎 伸子