ヴェネチアで8分間のスタンディングオベーション!『ジョーカー』世界初お披露目で絶賛の声相次ぐ

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ヴェネチアで8分間のスタンディングオベーション!『ジョーカー』世界初お披露目で絶賛の声相次ぐ

孤独だが心優しかった男が“悪のカリスマ”に変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描くサスペンス『ジョーカー』が10月4日(金)より公開となる。公開に先駆けた8月31日(現地時間)、第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で本作が世界初お披露目。レッドカーペットセレモニーと記者会見には、主演のホアキン・フェニックス、ザジー・ビーツ、監督と脚本を務めたトッド・フィリップスが登壇した。

本作の主人公は、「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れるジョーカーに変貌したのか。せつなくも衝撃の真実が明かされる。

「本年度アカデミー賞最有力」と注目を浴びている作品のレッドカーペットとあって、会場は炎天下にも関わらず世界中から集まった大勢のマスコミとジョーカーのコスプレをしたファンや、フェニックスの写真や似顔絵を手にしたファンで溢れかえった。熱気に包まれた会場にビーツ、フィリップス監督、フェニックスが登場すると会場のファンからは歓声が起こり、3名がファンへのサインや撮影に応じると、なかには感極まって泣きだすファンの姿も。

世界初お披露目となる上映の終わりには「ブラボー!」の声と今年の上映で一番の拍手喝采が起き、スタンディングオベーションが8分間も鳴りやまなかった。その圧倒的な完成度とジョーカー誕生の衝撃の物語を目撃した評論家からは、「ホアキン・フェニックスにはアカデミー賞の価値がある」(Total Film)、「ホアキン・フェニックスに心奪われる」(Time Out)、「決して見逃してはならない作品」(Hollywood Reporter)、「大胆かつ衝撃的で、この上なく美しい」(Empire)など、早くも絶賛の声が集まっている。

フィリップス監督は「本作で最初からはっきりしていたのは、これまで描かれてきたジョーカーとは異なるアプローチをすること。ジョーカーの過去は原作でも詳しく描かれていないから、自由に創造できるスペースがあったんだ。だから、ジョーカーの完璧な狂気にたどりつくまで、ホアキンと毎日話し合って、撮影中ですら脚本を書き替えていったんだ」とジョーカーという人物を追及した過程を振り返る。

そして、アカデミー賞に3度のノミネート経験を持ち、ジョーカーを演じた本作での受賞に注目が集まっているホアキン・フェニックスは「アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物」と“悪のカリスマ”ジョーカーのイメージとはかけ離れたアーサーの人物像に興味を抱いたと明かす。

スタンディングオベーションの大きさや、各国ジャーナリストからの絶賛の声の高さから、本映画祭“金獅子賞”受賞、及びアカデミー賞受賞にも期待が高まる。

文/編集部

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