世界遺産の西本願寺で京都国際映画祭2019が開幕!三船敏郎賞を中井貴一が受賞
前身となった映画祭から受け継ぎ、日本映画の発展に大きく貢献した製作関係者を表彰する牧野省三賞は、昨年8月に亡くなった牧野省三の孫でもある津川雅彦が受賞。津川の娘で女優の真由子が代理受賞し、「身内なので、賞をいただくのはどうかと思ったのですが…」と謙遜しつつ、「今朝、父のお墓参りをして報告してきました。きっといま、監督と一緒にここに立って笑ってるんじゃないかと思います」と笑顔で心境を語った。
国際的な活躍が期待される俳優に贈られる「三船敏郎賞」は、中井貴一が受賞。「喜劇からシリアスな悲劇、日本伝統の時代劇や海外での活躍、またDCカードのCMではたぬきと踊ったり、ミキプルーンのCMでは宇宙飛行士をコミカルに演じるなど、どんな演技もこなせるだけでなく、華がある」というユーモアを交えた選考理由を笑顔で受け止めつつ、「この時期は京都で撮影をすることが多くて、いつも『映画祭をやってるなぁ』と思ってはいたものの、お伺いしたのは初めて。こんなに大きな映画祭だったなんて驚きでしたし、京都でこの賞をいただけるのはとても光栄です」と感謝を滲ませた。
また、三船について聞かれると「豪放磊落に見えてとても細やかな方だったと思う。役者というのはいるだけで何かを伝えられなきゃいけない、存在感が大事なんだということを教わりました」と、大先輩に敬意を込めつつ振り返っていた。
映画祭について聞かれた桂文枝が、「こんなに長く続くとは…思ってました」と話して会場を笑わせ、西川きよしと共に、「ひと目会ったその日から」「恋の花咲くこともある」と、往年の恋愛バラエティ番組「パンチDEデート」のオープニングを再現して報道陣を沸かせる一幕も。
ほかにも、映画祭と京都をつなぐ架け橋として清水圭やミキらが登壇。今年から新設された“架け橋ブラザーズ”に任命されたミキの昴生は「いままで、架け橋ブラザーズになるためにがんばってきたと言っても過言ではないです」と意気込み、笑わせた。
国内外の100を超える映画作品が上映されるほか、現代アートの展示、SDGsと笑いの融合、トークイベント、ワークショップに果てはプロレスまでと、とにかく盛りだくさんのプログラムを展開する「京都国際映画祭2019」。映画やアート、笑いに包まれた京都の町をぜひ堪能してみてはいかがだろうか。
取材・文/オチアイユキ