【今週の☆☆☆】天才画家ゴッホを描いたドラマやフランスの名女優&若手スターのW主演作など週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
【今週の☆☆☆】天才画家ゴッホを描いたドラマやフランスの名女優&若手スターのW主演作など週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】天才画家ゴッホを描いたドラマやフランスの名女優&若手スターのW主演作など週末観るならこの3本!

Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今回は、11月8日(金)から今週末の公開作品をピックアップ。イザベル・ユペールとクロエ・グレース・モレッツが共演したサイコ・スリラーや、北極で遭難した男を名優マッツ・ミケルセンが演じるサバイバルドラマ、亡き後に才能が評価された天才画家ゴッホの半生を通してアートそのものに迫った意欲作など、バラエティあふれる作品ばかり!

週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライターとスタッフ陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライターとスタッフ陣が(独断と偏見で)紹介します!

演技派ウィレム・デフォーが孤高の画家ゴッホを体現『永遠の門 ゴッホの見た未来』(公開中)

37歳で生涯を終えたフィンセント・ファン・ゴッホに扮したウィレム・デフォー(『永遠の門 ゴッホの見た未来』)
37歳で生涯を終えたフィンセント・ファン・ゴッホに扮したウィレム・デフォー(『永遠の門 ゴッホの見た未来』)[c] Walk Home Productions LLC 2018

自身も画家として名を馳せたジュリアン・シュナーベル監督が、美術史上最も人気の高い画家の一人、フィンセント・ファン・ゴッホの半生を、ゴッホの視点に入り込んで世界を眺めさせるという新たな試みで描き出した意欲作。生前は1枚も絵が売れなかった享年37歳のゴッホに扮するのは、なんと63歳のウィレム・デフォー。だが、世界の美しさに触れて心を震わせる、初々しさを全身から放つ離れ技的名演で、我々を引き込んでいく。そうして映画を観る我々も心震える瞬間を疑似体感することで、当時疎まれたゴッホの奇人ぶりや“描かずにはいられない”純真無垢な情熱や衝動とも共鳴し、近しく、愛しく思わずにいられない。死の真相(※監督の想像・創作)をはじめ、これまで語られてきたこととは異なる温かな描き出され方に、なんだか救われた不思議な気分に!(映画ライター・折田千鶴子)

未亡人・イザベルがうら若き乙女・クロエに忍び寄る…『グレタ GRETA』(公開中)

落とし物をきっかけに母子のように親しくなる女性たちを演じたイザベル・ユペールとクロエ・グレース・モレッツ(『グレタ GRETA』)
落とし物をきっかけに母子のように親しくなる女性たちを演じたイザベル・ユペールとクロエ・グレース・モレッツ(『グレタ GRETA』)[c]Widow Movie, LLC and Showbox 2018. All Rights Reserved.

イザベル・ユペール、クロエ・グレース・モレッツというフランス&ハリウッドのスター女優2人の初共演が実現。その気になる中身は、何と本格的なサイコ・スリラーなのだ。ニューヨークの地下鉄で拾ったハンドバッグを、善意で落とし主の初老婦人グレタのもとに届けた若い女性フランシス。疑似母子のように急速に親しくなった2人の関係が、ある衝撃的な事実の発覚によって崩壊し、悪夢のような出来事が巻き起こるという物語だ。恐怖のストーカーに豹変する怪女グレタに扮したユペールが、観る者の予想のはるか上を行く奇行、暴走を連発し、そのはてしなくエスカレートする狂気に戦慄を覚えずにいられない。都会の残酷童話の趣もある“優雅にして恐ろしい”映像世界を、恐る恐るご覧あれ!(映画ライター・高橋諭治)

“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンが感情の機微で魅せる!『残された者-北の極地-』(公開中)

『永遠の門 ゴッホの見た未来』にも出演しているマッツ。主演作『残された者-北の極地-』での体当たりの演技も見逃せない!
『永遠の門 ゴッホの見た未来』にも出演しているマッツ。主演作『残された者-北の極地-』での体当たりの演技も見逃せない![c] 2018 Arctic The Movie, LLC.

北極を舞台に遭難者の男が決死の脱出劇を展開する。『残された者-北の極地-』のストーリーはいたってシンプルだが、それこそが本作の特徴かつ魅力である。男のバックボーンは語られず、説明的なセリフや映像も一切ない。しかし、知らず知らずのうちに観客は、男の一挙手一投足に注視し、吹き抜ける風や吹雪の音に耳を傾けるなど、自身がサバイバルをしているような感覚になってしまう。ここまでの没入を可能にしているのは、撮影地アイスランドの圧倒的な自然と、主人公・オボァガードを演じた“北欧の至宝”ことデンマークの名優マッツ・ミケルセンの存在にほかならない。食料を確保し救難信号を送るといった“生きる”だけのルーティンをこなす様子、もう一人の女性遭難者の登場により“生き残る”ために旅立つ決意をする姿などが、視線や表情のわずかな動きで表現され、オボァガードの苦悩や諦め、そして希望が痛々しいほどに伝わってくる。過去のどの作品にもあてはまらない、新たなサバイバル映画の傑作が登場した!(編集スタッフ・平尾嘉浩)



週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/トライワークス

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