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親の七光りを超えた存在感!あの大物俳優の娘・内田伽羅は未完の大器

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親の七光りを超えた存在感!あの大物俳優の娘・内田伽羅は未完の大器

『誰も知らない』(04)で、当時14歳だった柳楽優弥をカンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞に導いた是枝裕和監督。新作『奇跡』(6月4日九州先行公開、6月11日全国公開)は、またもや子供を主人公にした物語だが、その中で、主演のまえだまえだ同様に光っているのが内田伽羅だ。すらりと伸びた長い手足と、やや憂いを帯びた表情で見る者を釘付けにする彼女は、ご存じの通り、あの本木雅弘の愛娘で、ルックスだけではない抜群の存在感で輝きを放っている。

全線開業した九州新幹線の一番列車がすれ違う瞬間に、奇跡が起きて願いが叶う。そんな噂を信じて、冒険の旅に出る子供たちの姿を優しい眼差しで見つめる本作。伽羅が演じているのは、福岡で母親と暮らしている小学校4年生。子役としてCMなどに出演しながら、漠然と女優に憧れている役柄で、自分よりも活躍している同級生に複雑な気持ちを抱いている姿が何ともいじらしく、せつない。

素晴らしいのは、冒険を通して、女優になりたいという気持ちを固めていく彼女の心情の変化が、その立ち振る舞いから伝わってくることだ。終盤で見せる強い眼差しには感動すらわき上がるほどで、そこには彼女を含め、子供に対してはドキュメンタリー演出を施したという是枝監督の手腕が光る。実際、本作の完成会見で「お芝居がだんだん楽しくなってきた」と語った伽羅。劇中の姿と重なると共に、その可能性の大きさを感じさせる。

かつて短編実写映画『FURUSATO 宇宙からみた世界遺産 3D』(10)に主演はしているものの、本格的な演技は『奇跡』が初めてとなる。今回、祖母の樹木希林と共演も果たしているが、出演に関しては、自らの意志でオーディションを受けてつかみ取ったものだ。完成会見では、両親である本木雅弘&内田也哉子が「(娘の出演に)乗り気じゃなかった」と明かしたものの、これだけの逸材を今後も周囲が放っておくはずがない。11歳にして、親の七光りでないことを証明した彼女の演技はまさに必見だ。【トライワークス】

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