松田龍平、高良健吾らが出演したWOWOW発傑作警察ドラマが劇場上映
豪華キャストと映画監督によって、著名作家の小説をハイビジョンで映像化し、一切CMを挟まないスタイルで放送するという、テレビドラマを超えたクオリティで高い評判を呼んでいるWOWOWのドラマシリーズ・ドラマW。同枠で今年2月に放送され、話題を呼んだ二作が6月18日(土)より一週間ずつ、新宿のK's cinemaで劇場限定上映されることになった。
その二作とはTBS系列で人気を博したドラマシリーズ「ハンチョウ」の原作者で、警察小説を得意とする今野敏の人気作を映像化した「同期」と「ビート」だ。「同期」は突然懲戒免職となり、失踪した挙げ句、殺人事件の容疑者となった同期の公安刑事の行方を追う若手刑事が、警察組織の壁にぶつかりながらも真相を探し出すというもの。この若手刑事を松田龍平、失踪した刑事を新井浩文が演じるほか、栗山千明、竹中直人ら豪華キャストが顔をそろえる。
一方、「ビート」は内部情報を漏らしてしまった刑事が、家族と組織の狭間で苦悩する異色のヒューマンサスペンス。情報が渡った相手が何者かに殺され、その容疑者として浮かび上がったのが息子だったことから、家族への疑惑を抱くようになる。主人公の刑事を奥田瑛二、その息子を高良健吾が演じるという、NHKドラマ「白洲次郎」でも親子役を演じた新旧演技派の共演が見ものだ。
また、過去には市川崑や市川準、崔洋一など、日本映画界を代表する名匠たちがメガホンをとっていたシリーズだけに、豪華出演者はもちろん、監督にも注目したい。「同期」は『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの若手注目株、入江悠が疾走感あふれる演出で若手刑事の情熱を描き出し、「ビート」では主演も務める奥田瑛二が『長い散歩』(06)など、これまでの監督作で見せたような深遠な人間ドラマを演出している。
両作はこの秋のDVD発売が決定しているが、重厚感のあるストーリーはもちろん、前述したようにハイビジョンのクリアな映像は大きなスクリーンで見てこそと思わせるだけに、この機会に是非堪能してもらいたい。【トライワークス】