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地方テレビ局発の良質なドキュメンタリーが劇場公開に至った理由とは?

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地方テレビ局発の良質なドキュメンタリーが劇場公開に至った理由とは?

「真珠夫人」や「牡丹と薔薇」といった人気の昼ドラを多く制作していることで知られる東海テレビ放送。最近では社会派のドキュメンタリー番組を劇場映画として公開し、地方局の枠を超えた意欲的な試みが話題を集めている。そもそも彼らがドキュメンタリー番組の劇場公開に乗り出した理由とはいったい何だったのだろうか?

一般に高視聴率が見込めないといわれるドキュメンタリー番組だが、東海テレビのような地方局の番組となると全国放送も叶わないことが多い。テレビ局ならではの報道ノウハウを活かしたドキュメンタリーが、ごく限られた人々にしか届かないこの現状を打開するべく考案されたのが、番組の劇場公開という手法だった。昨年放送されたドキュメンタリー番組をもとにした『平成ジレンマ』が今年1月に劇場公開され、彼らの新たな試みは順調な滑り出しを見せている。

そして、この試みを定着させるべく、ドキュメンタリー『青空どろぼう』が6月18日(土)より劇場公開されることになった。四大公害の一つである四日市ぜんそくに焦点を当てた同作は、40年以上も前からこの公害を記録し続けてきた一人の男性の姿を通して、今も終わらない地域住民たちの闘いを描き出した作品だ。行政の手緩い対応と、それを糾弾する地域住民という構図は、奇しくも原発問題に揺れる日本の現状とどこかリンクしており、きわめて興味深い内容となっている。

東海テレビの作品に興味を持たれた方は、現在、ポレポレ東中野にて上映中の「東海テレビドキュメンタリー特集」にも合わせて足を運んでいただきたい。テレビドキュメンタリーの劇場進出という新たな流れを生み出そうと、これからも挑戦を続ける彼らの志に期待したい。【トライワークス】

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