「どうしても熊と戦いたかった」と浅丘ルリ子ら大物女優陣が『デンデラ』舞台挨拶に登壇|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「どうしても熊と戦いたかった」と浅丘ルリ子ら大物女優陣が『デンデラ』舞台挨拶に登壇

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「どうしても熊と戦いたかった」と浅丘ルリ子ら大物女優陣が『デンデラ』舞台挨拶に登壇

気鋭作家・佐藤友哉の同名小説を題材に、大物女優が多数集結して贈る衝撃作『デンデラ』(6月25日公開)。その完成披露試写会が6月6日、丸の内TOEIで行われ、出演者の浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子と天願大介監督が登壇した。

本作は、70歳になると老人を“姥捨て”する風習が残る極寒の山間部を舞台に、捨てられた老女たちが独自の共同体・デンデラを築き、過酷な自然環境の中で支え合いながら生きていく姿を描いた人間ドラマだ。

そんな本作の主人公であり、デンデラの50人目の入居者・カユを演じた浅丘ルリ子は、「真冬の雪山での撮影は確かに過酷でしたが、それ以上に共演者やスタッフの皆さんがとても優しくて、素敵な人たちばかりだったので、すごく温かい空気に包まれた現場でした」と撮影現場の雰囲気についてコメント。また、劇中で挑んだハードなアクションについて聞かれると、「熊と戦うシーンがあるのですが、そこは本当はスタントの方と入れ替わる予定だったんです。でも、どうしても自分でやりたくなって、監督にお願いして挑戦させていただきました。でも1ヶ所だけ、下手をしたら首の骨を折るかもしれないからNGと言われた場面があって。それができなかったのが心残りですね」と、まさに体当たりで役に挑んだことを語ってくれた。

また劇中には、自分たちを捨てた村人に復讐しようと企む者や、命を大切にし、一日でも長く生きたいと願う者など、様々な考えを持つデンデラの住人が登場する。その中で平和主義者のマサリを演じた倍賞美津子は、「私は寒いのが苦手なので、毎日ホカロンを20枚ぐらい貼って現場に参加していました。聞いたところによると、スタッフ、キャスト合わせて、撮影中に使ったホカロンの数は2万5千個もあったそうです」と裏話を明かしてくれ、狩猟の達人・ヒカリを演じた山本陽子は、「休憩の間も現場近くのテントに皆が集まって、おしゃべりしたり遊んだりしていたので、本当に仲良く楽しく過ごせました。それに雪も星もすごくきれいなロケ地だったので、私はこの作品に参加できて、とても満足しています」と、本作に出演した喜びを語った。

ちなみに、本作を手がけた天願大介監督は、『デンデラ』の前日譚ともいえるカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作『楢山節考』(83)を撮った今村昌平監督の長男。それだけに、本作には並々ならぬ意気込みで取り組んだらしく、「続編としてではなく、表と裏の位置にある作品として撮りました。極寒の雪山に残された老女が何を感じ、どう生きていこうとするのか? そういった感情の流れがうまく描けたと思います」と話してくれた。

過酷な環境でも決して生きることをあきらめず、命の最後のひとかけらまで生き尽くそうとする老女たちの姿が、魂を揺さぶる渾身の一作『デンデラ』。日本中が厳しい状況にある今こそ、本作を見て、生きる強さと人生の喜びを再認識してもらいたい。【六壁露伴/Movie Walker】

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