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『Fukushima 50』特撮・VFX監督が自信!「ハリウッド映画にも負けないクオリティになった」

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『Fukushima 50』特撮・VFX監督が自信!「ハリウッド映画にも負けないクオリティになった」

現在東京・調布市にて開催されている「映画のまち調布 シネマフェスティバル2020」で29日、『Fukushima 50』(3月6日公開)の先行特別上映会が開催され、上映前の舞台挨拶に本作で特撮・VFX監督を務めた三池敏夫が登壇。日本映画最大級のスケールと話題の本作における特撮撮影の裏話やこだわりなどを語った。

『ホワイトアウト』(99)や『沈まぬ太陽』(09)の巨匠・若松節朗監督がメガホンをとった『Fukushima 50』は門田隆将のノンフィクションを原作に、2011年3月11日の東日本大震災に伴う大津波で甚大な被害を受けた福島第一原子力発電所で、未曾有の事態から日本を救うべく奔走した人々の姿を描いたヒューマンドラマ。佐藤浩市と渡辺謙を筆頭に、吉岡秀隆、安田成美ら日本映画界を代表する豪華俳優陣が大挙に出演していることでも大きな注目を集めている。

80年代に映画業界に入り、東宝の「ゴジラ」シリーズや大映の「ガメラ」シリーズ、さらには「ウルトラマン」シリーズなど数多くの有名作品に携わってきた三池は、登壇するや“特撮”と“VFX”の違いについて解説。「基本的には同じ役割。日本では特撮はミニチュアを主体にしたもので、90年代からコンピューターで映像が作れる時代になりました。そうした最新の技術を使うものがVFX。今回の作品では、ミニチュアだけではとても描ききれなかったので、CGを主体にして映像を作りました」。

そんな三池は“特撮・VFX部”の主な役割について「画で伝えること」だと語る。「今回は原子力発電所が舞台の作品ですから、技術的な話を説明した方が良いこともありますが、ドラマを遮断することはやめて皆さんがドラマに集中できるように進めたいという話があった。なので、ちょっとわかりづらい専門用語もありますが、流れで観ていただければわかるように映像化したつもりです」と語った。

そして撮影現場を振り返り「「実際に起きた事件を僕らは伝えなくてはいけないので、スタッフ一同覚悟を決めて臨みました」と、大震災と津波、原発を題材にする上でリアルに描くことに注力したことを明かす三池は、劇中で特に観てもらいたいシーンを訊かれると、映画冒頭にある津波のシーンを挙げる。

「1年がかりで作り上げました。これはハリウッド映画にも負けないクオリティになったと思います」と強い自信をのぞかせながらも「観て恐怖心を感じる方もいらっしゃると思います。僕らもこの映画を作るにあたっては、事実を伝えなきゃいけないという覚悟を持って作りましたが、お客様も覚悟をして観ていただければと思います」と述べた。

さらに三池は「いまではCG技術が進歩して、どんな映像もCGでできる時代になりました。『スター・ウォーズ』の最後の作品では、もう亡くなっているキャリー・フィッシャーをCGで蘇らせたようになんでもできる。でも僕らはミニチュアの特撮で育ったので、日本独特の特撮文化を残していきたいと思って仕事をしています」と力強く語っていた。

取材・文/久保田 和馬


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