犬好きなのに犬嫌いの役の小日向文世、サモンにデレデレ！「犬を怖がる芝居はしんどかった」

犬嫌いの父が家庭内での居場所を賭けて犬と戦うコメディ『犬飼さんちの犬』(6月25日公開)の完成披露試写会が6月13日、スペースFS汐留で行われ、出演者の小日向文世、ちはる、小野花梨、矢部光祐と、亀井亨監督、主題歌を担当したSEAMOが登壇した。

本作は、犬嫌いな父親の単身赴任中に、家族が犬を勝手に飼い始め、苦手な犬と一つ屋根の下で共に生活をしなければならなくなるというストーリーから始まる。劇中では犬嫌いの主人公を演じているが、私生活では、トイプードルのきな子を飼っている小日向。きな子を飼うことになったきっかけは、「女房が勝手に決めた。きな子はオスだから女房の取り合いになって、きな子が僕のベットを独占し始めたので、『僕を取るのか、きな子を取るのか』と女房に詰め寄ったことがある。きな子とは犬猿の仲になり、家に帰るのが嫌になることがあり、映画の台本を読んだ時に、犬飼さんは僕だなと運命を感じた」と、本作の出演を嬉しそうに語った。犬飼保の妻・潤子を演じたちはるは、小日向の印象について、「会う度にこの笑顔を向けられると、私もふにゃあとなってしまった」と、小日向スマイルから元気を分けてもらっていたようだ。息子の岳を演じた矢部は、「パパ(小日向)の笑っている優しい顔がサモンと似ている。お姉ちゃん(小野)の目もサモンの目に似ているので、皆さんも映画で確認してみてください！」と、大人顔負けのコメントで周囲を驚かせた。

『犬とあなたの物語 いぬのえいが』(11)、『わさお』(11)、『星守る犬』(11)と、犬映画ブームとなっている2011年。本作に登場するサモエド犬のサモンの可愛さに、小日向は「他の犬作品のなかでも群を抜いている。ふかふかな毛並みは必見の価値です」と、すっかり虜になったようで、「我が家のきな子よりも可愛い！」と目尻を下げた。犬嫌いな役柄なため、「犬を怖がる芝居はしんどかった」と、サモンの可愛さにはお手上げだった。サモンとのエピソードでは、「メスだと知らないでお腹をなでていたら、ゴミがついていると思ったので取ろうとしたら乳首だった」と照れ笑いし、会場の笑いを誘った。

主題歌を担当するSEAMOの「ワン☆ダフル」は、自身の体験を基に制作された曲だ。主題歌決定にプロデューサーは迷っていたそうだが、小日向の「これにしよう」の一言で決定したそうだ。主題歌を務めたことにSEAMOは、「小日向さんの神の一声をいただけた。小日向さんに頭が上がらない」と喜びを語った。大の犬好きということから、SEAMOは「犬好きに悪い人はいない！」と断言した。

主演を務めた小日向は、「(本作と)同日公開の作品の中では、織田裕二さん主演のオールスペインロケ『アンダルシア 女神の報復』がライバル作品となると思います。こちらは、オール首都圏ロケで頑張っています！」と、ユーモアたっぷりにアピールすると、会場からは拍手が沸いた。本作に込められたメッセージを「犬を嫌いなのに、家に犬がいて困っているお父さん、ご主人が愛犬に冷たくて困っている奥様方、家族のなかで孤立しているお父さんたちに是非見てもらいたい作品。心を開いて、犬や人に接すれば、みんなと仲良くなれる」と紹介した。

サモンが会場に登場すると、その場の雰囲気がそれまで以上に明るくなったこの日。本作について、亀井監督は「“笑顔である”ということがテーマでありたい」と話すように、劇中から犬飼さんとサモンが日本中に笑顔と元気を届けてくれるだろう。【Movie Walker】