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驚異的な没入感に、思わず息を呑む…『Fukushima 50』がDolby Cinemaで深化する

コラム

驚異的な没入感に、思わず息を呑む…『Fukushima 50』がDolby Cinemaで深化する

『Fukushima 50』、Dolby Cinemaでの鑑賞ポイントは?
『Fukushima 50』、Dolby Cinemaでの鑑賞ポイントは?[c]2020『Fukushima 50』製作委員会

国内興行ランキングで2週連続1位をマークし大いに反響を呼んでいる、東日本大震災時の福島第一原発事故を描く映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)。SNSでは称賛の声と共に、巨大地震と大津波、原発事故のリアルな描写を大スクリーンで体感した衝撃の声も連日アップされている。今回、改めて本作を若松節朗監督もイチオシのDolby Cinema(ドルビーシネマ)で観賞してみると、驚異的な没入感に思わず息を呑んだ。

Dolby Cinemaと言えば、広色域で鮮明な色彩と幅広いコントラストを表現するハイダイナミックレンジ(HDR)映像と、縦横無尽に空間内で音を移動させることができるサウンドで、劇的な映像体験ができる上映システムだ。

怪物のような大津波、その恐怖を追体験

激震のあと、天井が崩れ、悲惨な状態となった緊急時対応室
激震のあと、天井が崩れ、悲惨な状態となった緊急時対応室[c]2020『Fukushima 50』製作委員会

まずは、冒頭で風光明媚な海岸に佇む福島第一原子力発電所(通称:イチエフ)が映しだされたあと、すぐにマグニチュード9.0、最大震度7という巨大地震が襲う。ここで、地震の揺れで海底が突き上がるド迫力の映像と爆音に思わずのけぞってしまう。激震によって建物のガラスが割れ、天井が落ちるすさまじい惨事にいちいち体が反応していく。

映画を観るのは二度目なので、ストーリーラインは把握しているはずなのに、福島をはじめ東北の被災者が体感した恐怖の何分の一か、いや何十分の一かを追体験する感覚になるのだと、ここで改めて腹をくくる。

主人公の伊崎利夫役を熱演した佐藤浩市
主人公の伊崎利夫役を熱演した佐藤浩市[c]2020『Fukushima 50』製作委員会

そこから押し寄せてくる黒い大津波は、まるで黒いモンスターのように異様な光景だ。津波はあっという間にイチエフを襲うが、その波や水しぶきの轟音が実にリアル。そして、全交流電源が喪失するという「SOB」宣言が発令され、イチエフはメルトダウンの危機に瀕していく。指揮官の吉田昌郎所長(渡辺謙)は、1・2号機当直長の伊崎利夫(佐藤浩市)と連絡を取り合い、現場の作業員たちを決死のミッションに向かわせる。

この真っ暗な電源喪失状態が、黒が際立つDolby Cinemaで観ると恐怖感と緊迫感がより煽られる。伊崎たちが待機する中央制御室は、暗いまま物語が進行していくため、より臨場感が感じられると共に、わずかな明るさも表現できる特性上、佐藤たち俳優陣の生々しい苦悩が浮き彫りになっていくのだ。


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