GG賞の視聴率は昨年比微減ながらも堅調!今年の司会はおとなしすぎた?
現地時間1月15日にビバリー・ヒルトン・ホテルで開催された第69回ゴールデングローブ賞の視聴率は、前年比で5%上回った昨年(全米の視聴者1700万人)に比べて弱冠下回ったものの、1680万人と堅調な結果となった。
調査会社のリサーチ結果をハリウッド・レポーター誌や米テレビ番組アクセス・ハリウッドなどのメディアが一斉に報じたもので、昨年に引き続き、同賞をオンエアした米NBCテレビにとって、スポーツ番組をのぞいて、昨年同賞をオンエアして以来の最高視聴率を獲得したこともわかった。
昨年の行き過ぎたジョークが顰蹙を買ったにもかかわらず、今年もゴールデングローブ賞の司会に抜擢されたリッキー・ジャーヴェイスは、昨年視聴率も上がったことで自信をつけたのか、「誰かを傷つけようなんて悪気は全くないんだ。コメディアンというのはそういうものだから、悪いことをしたとは思っていない。まして戦地に出向いている人たちをからかっているわけではなくて、世界のトップにいる人たちのことをからかっているだけだよ。そういうのを期待して楽しみにしている人もたくさんいる証拠」と強気の発言をし、直前になって、今年は8人くらいターゲットがいることを明かしていた。
今年のターゲットは、俳優だけではなくGG賞やNBCテレビそのものにも及び、「最高のホストが、2番目に大きな映画の祭典で、アメリカで3番目のテレビ局(NBC)で2度目の司会を務めます。NBCは昨年の3位から4位に落ちたんですね」と、自分だけを持ち上げて自己紹介した後、「今年は離婚が多かった。アシュトン・カッチャーとデミ・ムーアもそうだし、キム・カーダシアンは誰だかわらかない相手とたったの72日間で離婚しちゃったし」と柔らかめなジョークを交わした後、リアリティショー女優と言われているキムとイギリスの王妃ケイト・ミドルトンを、GG賞とアカデミー賞にたとえたり、今年のアカデミー賞のホストを自ら降板したエディ・マーフィを引き合いに出し、「自分でやめて正解だ」などと発言。また、昨年公開されて、泣かず飛ばずだったメル・ギブソン主演の『The Beaver』でメガホンを取ったジョディ・フォスターに矛先を向けるなどのジョークもあったが、聡明なジョディは怒ることもなく親指を立てて賛同し、会場の笑いを誘っていた。
またリッキーは、GG賞を主催するハリウッド外国人記者クラブから、やってはいけないことのお触れ書きの内容として、「俳優たちをいじめたり、裸になったり、、、」と本文を読み上げる際に、“PENIS”や“SEX”などの言葉も使用したが、特に放送禁止用語にはなっておらず、エルトン・ジョンやセシル・B・デミル賞を受賞したモーガン・フリーマンなど、一部が露骨に嫌な顔をしていたのは除いて、会場の笑いを誘った。
授賞式の途中も常にアルコールを持参して登場したリッキーが、最優秀楽曲賞を受賞し、外国映画賞のプレゼンターとして登場するマドンナのことを、彼女の持ち歌になぞえて、「マテリアル・ガールで、今でもヴァージンのような“Like a Virgin”」と鼻を鳴らして笑いながら紹介すると、マドンナからの鋭い切り返しで即席のリベンジを受けるなど、タジタジになる場面もあった一方で、リッキーの過激ジョークを楽しみにしていたジョージ・クルーニーを『マネーボール』のプレゼンターとして紹介する際には、「来年はこの場所を乗っ取られるだろう、偉大なスター」と称えるシーンもあり、昨年とは一風変わった感じも見受けられた。
実際にPEOPLE.COMの読者アンケートでは、何と59%もの人々が「もっと過激なジョークを期待していたが、おとなしすぎてがっかりした」と回答しており、批評家たちも、「昨年に比べてパンチが足りず、想定内のジョーク。来年も続投したいのか、一部の俳優には媚を売っているようだった」などコメントしており、期待値が高すぎたことを考慮に入れても、全体的には昨年よりおとなしくてつまらなかったというのが全般的な評価のようだ。
大スターがそろったにもかかわらず、視聴率が横ばいだった背景には、昨年のように若者層をとらえ、話題を総なめにした『ソーシャル・ネットワーク』(10)のような作品や、『インセプション』(10)のような大ヒット作がないことも挙げられており、昨年のリッキーの司会は、話題性も含めて、視聴者から一定評価をされていたことを証明する形となった。
となると、今年は過激さにかけて、つまらなかったととらえる視聴者の興味を取り戻すため、来年はホストを変えるのか、はたまたリッキーに元通りの過激さを要求するのか、主催者も頭を悩ませることになりそうだ。【NY在住/JUNKO】