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『ジェネラル・ルージュの凱旋』が追求する医療現場の癒着問題

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『ジェネラル・ルージュの凱旋』が追求する医療現場の癒着問題

海堂尊の医療ミステリー小説の映画化作品『チーム・バチスタの栄光』(08)に続き、第2弾『ジェネラル・ルージュの凱旋』(3/7公開)が待機中だ。竹内結子扮する心療内科の女医・田口公子と、阿部寛扮する厚労省の白鳥圭輔が、今回は医療メーカーの癒着問題にメスを入れていく!

現役の医師でもある海堂尊が描く本シリーズは、リアリティに基づいた内容に定評がある。主演の田口役の竹内も本作の撮影を経て「お医者さんとその周りの環境でいろんな問題があり、そこを深く知りたいと思うようになりました」とコメント。

白鳥役の阿部も、現場で聞いた医者の意見が印象に残っているという。「『ジェネラル・ルージュの凱旋』で描かれているようなことは普通に起こっているけれど、医者が自分から公にすることはないし、内容も伝わっていかないそうです。でも、原作の海堂尊さんは、それを本で発表してくれているのですごくありがたいと言ってました」

今作のキーマンは“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”と呼ばれる救急救命医・速水晃一。演じる堺雅人は『クライマーズ・ハイ』(08)やNHK大河ドラマ「篤姫」(08)など、主演ではない作品でも強烈な個性を放ってきただけに、今回の役どころでも熱い視線を浴びている。

「この役を通して、たくさんの救命救急の先生にお会いしました。今の危機的な状況にある救命救急医療に対する熱い思いや危機感、先生たちの生の声を、役を通じてフィルムに叩きつけられたらいいなあ、と思って演じました」

堺は、さらに医師の苦労をこうも訴えかけた。「僕らは医者を、ある意味“聖職者”として見ているので、救急車の受け入れの時間が延びたりすると、マスコミも含めて非常に厳しい批判をしてしまう。けれど批判を受けている人々も我々と同じ人間。医者を“悪者”や“ヒーロー”に祭り上げるのではなく、我々と同じ目線で医者を見る、感じる、体験することができたのは、今回この役で得た財産だと思っています」

さまざまな医療現場で医師が糾弾される昨今、『ジェネラル・ルージュの凱旋』はその現状に一石を投じることができるのか!? また、現場の医師たちの叫びがどこまでリアルに描かれているのか。本作の公開が今から楽しみでならない。【MovieWalker/山崎伸子】

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