史上最高に迷惑なスター、ホアキン・フェニックスが数億円の私財を投じて挑んだ悪戯とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
史上最高に迷惑なスター、ホアキン・フェニックスが数億円の私財を投じて挑んだ悪戯とは?

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史上最高に迷惑なスター、ホアキン・フェニックスが数億円の私財を投じて挑んだ悪戯とは?

故リバー・フェニックスの実弟であり、『グラディエーター』(00)、『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(06)でのアカデミー賞ノミネートなどでも知られる人気実力派俳優ホアキン・フェニックス。彼がキャリアの絶頂といえる2008年に突如俳優引退を表明して一線を退き、なぜかラッパーとしての音楽活動を開始していたことをご存知だろうか? ミュージシャンに転向した彼は、かつての面影すらない、もじゃもじゃのヒゲに覆われた風貌で公の場に出現。即興でラップを披露したり、観客と乱闘騒ぎを起こしたりと、数々の奇行を繰り広げたのだが、そんな引退後の彼の姿を追ったドキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』が4月28日(土)に公開されることが決定した。

早々にタネを明かしてしまうことになるが、実はこの作品はモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)。2010年のヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映後に、全て演出だったことが明かされ、俳優引退もラッパー転向も、ホアキンが仕掛けた壮大な悪戯だったと判明したのだ。しかし、その事実から「何だ、これは作り物(演技)なのか」と早合点してしまってはいけない。悪戯といってもホアキンの徹底ぶりがすさまじく、ラッパーに転向したと世間に信じ込ませるため、引退表明以後は全ての本当に仕事をキャンセルしてしまったほど。数億円の私財を投げ打って、本気の騙しに情熱を注いでいるセレブの姿は、どこまで真実でどこから演出なのか、全くもってわからなくなってしまうくらいのリアリティに満ちており、たとえネタバレされていても、ついつい騙されてしまいそうになるはずだ。

そんな彼の史上最大の悪戯を手伝ったのは、ベン・アフレックの実弟で『ジェシー・ジェームズの暗殺』(08)でのアカデミー賞ノミネート経験を持つ俳優ケイシー・アフレック。ホアキンの義理の弟でもあるケイシーはカメラ片手にホアキンに密着取材を敢行し、一部始終を収め、ブルース・ウィリスやジャック・ニコルソン、ベン・スティラーといった俳優陣が次々と騙されていく様子も克明に映している。まさに多数の被害者を生み出してしまった前代未聞の珍事と言えよう。

一連の奇行で全米を大いに騒がせ、呆れさせてしまった張本人のホアキンは、現在はヒゲを剃ってさっぱりとした身なりに戻り、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『The Master』(原題)への出演で俳優復帰を果たすようだ。何がホアキンをそこまで駆り立てたのか、実は本気でラッパー転向を目指していたのでは?と、きっと様々な疑問がわいてくるが、果たして真実はいかに? 全ての答えは是非本作で事の一部始終を見て確かめてほしい。【トライワークス】

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