第84回アカデミー長編アニメ映画賞はジョニー・デップの『ランゴ』が受賞
現地2月26日(日本時間2月27日)に行われた第84回アカデミー賞授賞式。日本のアニメ業界も注目する長編アニメ映画賞には、ジョニー・デップが声優を務めた『ランゴ』が輝いた。もともと今年のアカデミーの長編アニメ賞は、スティーブン・スピルバーグの『タンタンの冒険』が最有力とされていたが、『タンタン』はまさかの落選。逆にGG賞で本命視されながらも落選した『ランゴ』が今年のオスカー像を受賞することになった。
クリス・ロックがプレゼンターを務めた長編アニメ映画賞。受賞した『ランゴ』は、ペットとして飼われていたカメレオンのランゴが、ひょんなことから荒野の保安官に抜擢され冒険する。『パイレーツ・オブ・カリビアン』のゴア・ヴァービンスキー監督とジョニー・デップがタッグを組んだフルCGアニメーションだ。
メガホンを取ったゴア・ヴァービンスキー監督は、これまで実写を手がけてきた。今回が初の受賞となったゴア監督は「とんでもない状況です。以前『これは子供向けの映画か?』と聞かれ、『わからない』と答えました。子供みたいな大人が作った映画です。ジョニー・デップをはじめ、スタッフやパラマウントの人々、新しいものを作らせてくれてありがとう。そして僕の美しい妻、家族はいつも笑顔で私を励ましてくれます。ありがとう」と受賞の喜びを語った。
ほかに同賞の候補に挙がっていた『カンフー・パンダ2』『長ぐつをはいたネコ』も秀作だが、どちらもドリームワークス作品とあって、仲良くノミネート止まり。『ランゴ』は、その高いアニメーション技術はもちろん、ストーリー面でもアカデミー協会員を満足させたようだ。環境に応じて体の色を変えるカメレオンだが、今年のアカデミー賞長編アニメは、ランゴ一色となった。次年度は、アニメといえば日本でもファンの多い本家ディズニーの動きにも注目したい。【取材・文/鈴木菜保美】