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祝100歳! 新藤兼人監督の百寿を記念した特集上映が開催

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祝100歳! 新藤兼人監督の百寿を記念した特集上映が開催

4月22日(日)に100歳を迎える日本最高齢の映画監督・新藤兼人。「映画人生最後の作品」として放った『一枚のハガキ』(11)でも、あいかわらずの創作意欲とバイタリティを見せてくれた新藤監督の百寿を記念した特集上映が、シアターN渋谷で4月14日(土)より開催される。

1912年に広島で生まれた新藤監督は、溝口健二監督の影響のもとで脚本家として映画キャリアをスタート。吉村公三郎監督と組んだ『安城家の舞踏会』(47)で評価を確立したのち、松竹を退社して現在の独立プロダクションの潮流の元祖とも言える近代映画協会を設立。そして1951年に自分を支えてくれた妻を描いた『愛妻物語』で念願の監督デビューを果たしている。

以降は、全編にわたってセリフを排した『裸の島』(60)でモスクワ国際映画祭グランプリに輝き、1995年には『午後の遺言状』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞するなど、いずれの作品も高い評価を得ている。また、脚本家としても川島雄三監督の『しとやかな獣』(62)や、市川崑監督の『映画女優』(87)をはじめ、これまでに230本以上を執筆しており、まさに日本映画界を支えてきた人物なのだ。

今回の特集で上映されるのは、ATG(日本アート・シアター・ギルド)時代の7作品。夏目漱石の古典を映画化した『心』(73)や、壮絶な暴力と性を描いた『絞殺』(79)、自らインタビューを敢行し、溝口健二の人物像を浮かび上がらせたドキュメンタリー『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』(75)など、新藤監督の作品目録のなかでも芸術映画として色彩が濃いものとなっている。

前述したように、『一枚のハガキ』を最後に監督引退を表明しているが、一方でまだ作品を創りたいという気持ちも漏らしている新藤監督。先日行われたブルーリボン賞受賞式では、芦田愛菜に対して彼女を起用するプランを発言するなど、今後を期待したくなってしまう。世界最高齢の現役映画監督としては103歳のマノエル・ド・オリヴェイラが知られているが、是非とも彼に負けないくらい、まだまだ元気に映画を撮り続けていただきたい。【トライワークス】

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