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27回も映像化されてきた名作『ジェーン・エア』の決定版が遂に登場

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27回も映像化されてきた名作『ジェーン・エア』の決定版が遂に登場

1847年に出版されたシャーロット・ブロンテによる小説「ジェーン・エア」。19世紀のヨーロッパを舞台に、精神的かつ経済的に自立しようとする女性ジェーン・エアの生き様を描いた同作は“英国文学史上の全てのタブーを破った作品”として、一大センセーションを巻き起こした。物語の根底に流れる“互いの魂の自由と自立があってこそ、真実の愛が生まれる”というテーマが深い感動を呼び、今なお世界各国で読み継がれる不朽の名作でもある本作は、これまで劇場映画版18作、テレビ映画9作と、幾度となく映像化。しかしながら、見る者全てが納得できるほどの、決定版と呼ばれる作品が生まれていなかったことでも知られるタイトルなのだ。そんないわくつきの小説を、今までとは異なるアプローチで映画化したのが、6月2日(土)公開の『ジェーン・エア』だ。

“『ジェーン・エア』の決定版の製作に挑戦したい”“作品が醸し出す美しさを保ちながら、今の時代にも通じる「女性の解放と平等」というテーマをより際立たせたい”という、ふたりのプロデューサーによってプロジェクトがスタートした本作が、従来の映像化作品と一線を画しているのは、省略されることの多かったリバース家のエピソードをあえて冒頭に据えた脚本の構造と、大人の女性が演じてきたジェーン役を22歳のミア・ワシコウスカが演じている点だ。また、メキシコを舞台に、ひょんなことから共にアメリカを目指すギャングの少年とホンジュラス出身の少女の過酷な運命を描いた『闇の列車、光の旅』(09)でサンダンス映画祭監督賞に輝いたキャリー・ジョージ・フクナガ監督が、「より良い人生を求めて旅をする」という原作小説が持つエッセンスを鋭い視線で表現しているのも、新しい試みと言えるだろう。原作の舞台となったダービーシャー州で行った撮影など、俳優たちが使う方言、そしてドレスの下に隠れてしまうペチコートなどの衣装にも監督はこだわり抜き、第84回アカデミー賞において衣装デザイン賞にノミネートされるほどのクオリティを追求した。

「自分の意見は目上の存在にも臆することなく伝える」「好きな男性ができたら自分から愛を告げる」といった現代の女性たちには当たり前の言動を、フィクションとはいえ、19世紀の封建的なイギリスにおいて貫き通したジェーン・エア。彼女の芯の通った生き方と、全身全霊をかけた真実の愛は、今の私たちが見失いつつある魂の尊さを再認識させてくれることだろう。【トライワークス】

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