宮崎あおい&細田守監督、パリで開催の『おおかみこどもの雨と雪』ワールドプレミアに登場|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
宮崎あおい&細田守監督、パリで開催の『おおかみこどもの雨と雪』ワールドプレミアに登場

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宮崎あおい&細田守監督、パリで開催の『おおかみこどもの雨と雪』ワールドプレミアに登場

おおかみおとこの子供を産んだ少女と、その子育ての日々を描いたアニメ『おおかみこどもの雨と雪』(7月21日公開)のワールドプレミアが現地時間6月25日(日本時間6月26日)、パリで行われ、主人公の声を演じた宮崎あおいと、細田守監督が出席した。会場となったパリ最大のシネコン、ユージーシー・シネサイト・レ・アールは約500席が用意されているが、今回のワールドプレミアのチケットは一週間前に売り出したにも関わらず、発売初日で完売したという。

上映前、観客から拍手で迎えられた細田監督は「世界に先駆けて、本作をフランスの皆さんにご覧いただけることを嬉しく思っています」と挨拶。上映中は、愛らしいおおかみこどもたちがコロコロと変身する様や、躍動感あふれる動きに何度も歓声が起きる一方で、映画後半では登場人物に心を寄せて涙を拭う観客の姿も見られるなど、終始反応が絶えることなく、観客が本作を楽しんでいることがうかがえた。エンディングに入ると客席からは「Bravo!」「細田守はさすがだね!」という声と共に盛大で温かな拍手が沸き起こり、スタンディングオベーションが約2分続いた。場内でフランスの観客と一緒に本作を鑑賞していた細田監督と宮崎も、喜びと安堵の笑顔をのぞかせた。宮崎はフランスの観客の反応に、「皆さんの感情表現がとても豊かで、こんなに笑うところがある映画なんだという新しい発見もあって、新鮮な気持ちで見ることができました」と語った。急遽行われたティーチインでは、細田作品の中で描かれる女性像やアニメーションにおけるCG技術、さらには次回作の構想について、様々な質問が飛んだ。

辛口で知られるフランスのマスコミからは、「ディズニーやピクサー作品とは一線を画すアニメーション映画だ」「これまでのアニメ作品と異なり、大人も楽しめる複雑な物語を内包した映画的な映画」と絶賛の声があがっていた。フランス滞在中の細田監督のもとには、「ル・モンド」「フィガロ」「リベラシオン」といった有力紙や、フランス最大民放局「TF1」のゴールデンタイムのニュース番組など、大手マスコミから取材依頼が殺到しているという。フランスでの公開規模の目安と言われる本作のプリント予定数は50プリントで、フランスで最も人気を集める日本人監督の北野武最新作『アウトレイジ ビヨンド』(10月6日公開)の50プリント、第81回アカデミー外国語映画賞受賞『おくりびと』(08)の47プリントに並んでおり、本作の海外セールス担当者は「8月の公開を皮切りに、今後は上映館100館にも迫る勢いでブッキングされていくだろう」と予想している。

既に34の国と地域での配給も決定している本作。フランスでは8月29日(水)より公開されることが決まっており、ギャラリー・アーリュディックでは『おおかみこどもの雨と雪』細田守アートワーク展が7月21日(土)まで開催されている。【Movie Walker】

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