三回忌を迎えるアニメ作家・今敏、その唯一無二の才能をもう一度大スクリーンで|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
三回忌を迎えるアニメ作家・今敏、その唯一無二の才能をもう一度大スクリーンで

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三回忌を迎えるアニメ作家・今敏、その唯一無二の才能をもう一度大スクリーンで

『PERFECT BLUE』(97)、『千年女優』(02)、『東京ゴッドファーザーズ』(03)、『パプリカ』(06)など、現実と非現実が交錯するストーリーをアニメーションでなければ不可能な表現で描いてきた今敏監督。そのドラマティックな演出や細部にまで目の行き届いた画面構成など、漫画家出身ゆえの作家性で日本のみならず、世界各国の映画祭でも高い評価を得てきた人物だ。特に第83回アカデミー主演女優賞を獲得したナタリー・ポートマン主演作『ブラック・スワン』(10)のダーレン・アロノフスキー監督が今敏監督の熱烈なファンであることは有名で、『レクイエム・フォー・ドリーム』(00)などの作品からも今監督からの影響が見て取れるほどだ。

しかし、今監督は次回作『夢見る機械』の制作に着手中の2010年8月24日、膵臓ガンで逝去。46歳という若さや、作家としての円熟期に突入していたこともあり、多くの人がその早すぎる死を悼んだ。そんな今監督の三周忌を迎える今年、東京の映画館2ヶ所で追悼記念イベントが開催される。

池袋の新文芸座では8月11日(土)に全劇場作品4タイトルを一挙上映、新宿バルト9では命日となる8月24日(金)に『パプリカ』を特別上映する。新文芸座では『千年女優』終映後にはアニメ雑誌編集者らを迎えたトークショーが、バルト9でも上映終了後に『パプリカ』の主演声優・林原めぐみと音響監督の三間雅文をゲストに迎えたトークショーが行われる。

カナダのモントリオールで行われるファンタジア国際映画祭では、2012年からベストアニメーション賞の名称が「今敏賞」(Satoshi Kon Award)に変更されるなど、未だに多大な影響力と唯一無二の存在感を世界に放ち続ける今監督。大スクリーンと劇場の音響設備でこそ輝く、映画に込められた“今敏の生き様”を存分に味わってもらいたい。【トライワークス】

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