佐藤健、『るろうに剣心』剣心役と「龍馬伝」以蔵役は自分にとって運命のタイミング|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
佐藤健、『るろうに剣心』剣心役と「龍馬伝」以蔵役は自分にとって運命のタイミング

インタビュー

佐藤健、『るろうに剣心』剣心役と「龍馬伝」以蔵役は自分にとって運命のタイミング

和月伸宏の人気コミックの実写映画『るろうに剣心』(8月25日公開)で、主演を務めた佐藤健にインタビュー。佐藤が演じた緋村剣心は、かつて“人斬り抜刀斎”と恐れられた伝説の暗殺者だが、今は「不殺(ころさず)」の誓いを立て、人のために斬れない逆刃刀を振るう。奇しくも佐藤はNHK大河ドラマ「龍馬伝」でも人斬りの岡田以蔵役を演じたが、この2つの作品は、ほぼ同時にオファーされたそうだ。そんな裏話をはじめ、佐藤が本作に懸けた思いを語った。

「同時期にお話をいただいたので、運命的なものをものすごく感じました。さらに両作とも大友監督が手掛けることになり、共演者もご一緒する方が多かった。全然別の作品だけど、リンクしているところは大きかったです。着物を着て生活することや、刀の扱いは『龍馬伝』で教えてもらったし、殺陣もあったので、基本的な刀の振り方は『るろうに剣心』でも生かされたと思います」。

剣心役にはどんなふうにアプローチしていったのか?「役作りの仕方は作品によって違いますが、今回はどちらかというと、自分と切り離して考えました。剣心ってほぼ人間じゃないというか、仙人みたいに悟っている人だから、剣心だったらこうだろうというものを表現していったんです。守りたいから守るとか、平和主義な考え方はだいたい自分と一緒だったので、完璧にはできないけど、目指すところは同じだったと思います」。

『るろうに剣心』の撮影に当たり、大友監督から「これが佐藤健の代表作になったら良いな」と言われたという佐藤。「すごく嬉しかったです。ただ、京都にいる間は色々考えちゃうし、アドレナリンがずっと出ていて、覚醒し続けている感じでした。そういう現場は今までなくて、東京を離れて、ずっと1つの作品に集中するってことも初めてでした。ゆっくり贅沢に、1つの作品に集中させてもらえて幸せでした」。

大友監督は、佐藤について「年齢よりもどっしり構えている」と語っていたが、彼にとっての座右の銘が「臨機応変」と聞いて納得。「何事も決め付けないってことですね。その場、その場で出た答えを信じる。デビューしてからずっとそうなのかもしれない」。佐藤にとって、2012年は『るろうに剣心』の他にも、初舞台「ロミオ&ジュリエット』」主演を務め、飛躍の年となったが、今後の理想の俳優像についても聞いてみた。「また、こういう一つのプロジェクトに集中できる作品に関わっていきたいです。ジャンルを問わず、こういう作品に出会えることが一番の理想です」。

今後、演じてみたい役柄については「強いてあげるなら、新撰組の沖田総司役。時代劇に抵抗がなくなったので。刀を持っている人が良いですね」。その発言からも、彼がふたりの幕末の志士を演じ切ったことで、手応えを感じたことが伺える。佐藤が体現した、優しく、強く、そしてたくましい緋村剣心の生き様を、その目にしっかり焼き付けてほしい。【取材・文/山崎伸子】

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