堤真一が憧れのエベレスト山麓へ!「ネパールはまるで『三丁目の夕日』みたい」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
堤真一が憧れのエベレスト山麓へ!「ネパールはまるで『三丁目の夕日』みたい」

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堤真一が憧れのエベレスト山麓へ!「ネパールはまるで『三丁目の夕日』みたい」

俳優の堤真一が、かねてから興味を抱いていた世界最高峰のエベレストを擁するヒマラヤ山脈の麓を旅する「堤真一 ヒマラヤ巡礼 山で神さまに逢いたくて」が、1月26日(土)14よりTBS系全国28局ネットで放送される。自然や静けさを求めて神社仏閣巡りをするのが趣味だという堤。世界最高峰エベレスト登頂を主題にした夢枕獏の小説「神々の山嶺(いただき)」を読み、エベレストに憧れ、友人夫婦から「ヒマラヤ山脈の麓で眺めた満天の星空は、人生観を変えた」と聞き、よりいっそう憧憬の念を強くしていたという。

「日本でいう“富士山が聖なる山だ”っていうぐらいのものかなって思っていたのですが、実際に行ったらエベレストだけでなく全てがすごかった」と語る旅の始まりは、神々が数多く住むというネパールの首都カトマンズ。「カトマンズの町は、『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいな感じなんですよ。僕らが育った時代の雰囲気っていうのかな。決して裕福ではないんだけど、でも活気があって、びっくりしますよ」と自身が出演した昭和30年代を描いた映画の情景に重ねて表現する。そして“神さまの使い”として殺してはいけないとされている牛にも驚いたようで、「車と同じようにそこらじゅうに、でっかい牛がいるんですよ。牛も(笑)、人も犬もぐちゃぐちゃというか、牛はいないですが、そこは昔の日本の景色でした」と語る。

さらにカトマンズでは、年に一度だけ行われるヒンズー教最大の祭り、イントラジャトラに遭遇。祭りの主役であるクマリという若い女性の生き神様の存在に驚いた堤は「僕は神様を信じているわけじゃないんですけど、ネパールの人々の心の中には当たり前にいるんですね」とヒンズー教と仏教の混ざり合った独特の宗教文化を肌で感じ、人々の生活の中に生きる神々を目の当たりにしたという。

カトマンズを出発点に、ブッダ生誕の地と言われるルンビニや、日本人として初めてチベットにたどり着いた僧侶・河口慧海の足跡を追って、ヒマラヤ山脈深くのマルファ村で、ネパールで生活する人々と出会い、彼らの話に耳を傾けながら旅を続ける。そして、エベレスト街道と呼ばれるトレッキングルートでエベレスト山麓へ。標高3440mの高地にあるナムチェ・バザールから、さらに高所にある仏教僧院タンボチェ・ゴンパを目指していく。ヒマラヤの山々、そして憧れのエベレストの姿を見ることができるタンボチェは、標高3867mに位置する。「熊野古道を歩いたり、峠越えで1日8時間ぐらい歩いたり、トレッキングとかは好きだった」という堤だが、今回のネパールロケが決まってから、富士登山に挑戦するという自主訓練を行った。タンボチェは日本の富士山よりも高い場所だ。

「ヒンズー教で一番人気のある神様はヒマラヤに住んでいると聞き、天候待ちでハラハラしながらもエベレスト街道を歩くことができました。エベレストに世界で初めて登ったヒラリー隊唯一の生存者であるシェルパの方にお話を伺って、山そのものが神様なんだということも実感できました。富士山より少しだけ高い場所で、ヒマラヤの奇跡のような光景を目の当たりにして、とても幸せな気分になりました」と、その時を振り返る。

今回の旅も含め、色々な国へ行き、考え方が変わったようで、「ちょっと前の僕だったら、車とかバイクとかぐっちゃぐちゃに走っているのを見て、“ちゃんとルールを決めれば良いのに”って思っていたんですけど、こっちの方が正しいような気がするって思ったんです。“ルールばっかりじゃつまんない”っていうか、何にもできなくなってしまう気がして」と答え、「インドネシアのジャングルに行った時には、僕らは都会で過ごすことはできるけど、ジャングルに放り出されたら何にもできないと思った。自然から家を建てること、住むこと、食事をすること、そういうことをちゃんと自らの手でできるということが本当は大事なんじゃないかなって。自分たちの文化が都会で、文明が発達しているように思っているけど、人としては生きていく方法を何にも知らない」と、かつての旅行で感じたことと今回のネパールでの体験を重ねて、今の心境を語った。

また、放送はされないが、食事はとても質素だった。「シェルパ族のおじいさんの家で食べたお母さんが作った鶏のカレーが本当に美味しかったですね。お母さんが一生懸命、『食え、食え』って言ってくれて、ありがたい感じがしました。『もう要らない』って言ってるのにボコボコ入れてきて。そういうところも昭和の日本みたいで、おばあちゃんがあれこれ『食え』って言っているような、そんな感じでした」という裏話も交えて旅の様子を明かしてくれた。

「別に景色が見たいわけではない。景色だったら、日本にいても写真やビデオでいくらでも見ることができる。その場所に立った時に、いったい何を感じるのかを知りたい」と勢い込んで出発した貴重な旅。俳優としてではなく、素顔の堤真一として、ようやく姿を現したエベレストを前に彼は何を思い、何を語るのだろうか。【Movie Walker】

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