ヨーロッパ随一の美形ピアニストが、アカデミー賞を沸かせた鬼才の新作で役者デビュー|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ヨーロッパ随一の美形ピアニストが、アカデミー賞を沸かせた鬼才の新作で役者デビュー

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ヨーロッパ随一の美形ピアニストが、アカデミー賞を沸かせた鬼才の新作で役者デビュー

昨年の第65回カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得し、2度目の最高賞受賞という栄冠に輝いた巨匠ミヒャエル・ハネケ監督。そんな彼の受賞作『愛、アムール』が、現在公開中だ。

本作は、妻の病をきっかけに、穏やかな日常が失われていく老夫婦の物語。音楽家夫婦として豊かな生活を送る2人だったが、ある日、妻に発作が起こり、重い病に冒されていることが判明する。「病院にはいたくない」と漏らす妻の願いを尊重し、夫は残された時間を2人で過ごすことを決意。衰弱してベッドに横たわる妻に向かって、懐かしい日々の思い出を語り始める。誰もが直面する“老い”と“死”という重い問題を、優しいタッチで真っ向から描いている。

そんな本作は、大物俳優のキャスティングでも話題を呼んでいる。病に伏す妻を『二十四時間の情事』(59)のヒロインであるエマニュエル・リヴァが、妻を献身的に支える夫を『男と女』(66)で主演を務めたジャン=ルイ・トランティニャンが演じている。そして、2人の愛弟子役としてヨーロッパ随一の美形ピアニスト、アレクサンドル・タローが実名で出演。オーディションで見事選ばれた彼は、劇中音楽も担当しているのだ。

アレクサンドル・タローは1968年生まれのフランス人ピアニスト。現在はレコーディングアルバムをリリースしながら、国内外で精力的に演奏活動を続けており、日本でも高い評価と人気を誇っている人物だ。本作のサントラの全ての楽曲は、彼がソロ・ピアノで演奏しており、繊細な響きが映画を存分に盛り上げている。また、劇中ではクラシック音楽に携わってきた老夫婦の姿が中心に描かれるため、随所にクラシックの話題が盛り込まれており、クラシックファンならではの楽しみ方ができる作品とも言えるだろう。

監督のミヒャエル・ハネケが、前作『白いリボン』(10)に続く2作連続のカンヌ受賞を果たした本作。シンプルなプロットと演出ながらずしりと胸に響く圧巻の人間ドラマを、至高のピアノの音色と共に深く味わってみてほしい。【トライワークス】

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