森山未來が必殺の“首蹴り”で『フィッシュストーリー』をPR|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
森山未來が必殺の“首蹴り”で『フィッシュストーリー』をPR

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森山未來が必殺の“首蹴り”で『フィッシュストーリー』をPR

舞台、映画、テレビドラマで活躍する若手実力派俳優、森山未來が、正義の味方に? 主演ドラマ「リミット 刑事の現場2」(7/11放送開始予定)の撮影で訪れている名古屋で、映画『フィッシュストーリー』(3/20公開)について語ってもらった。

本作は『アヒルと鴨のコインロッカー』(06)の中村義洋監督が、再び伊坂幸太郎の原作に挑む意欲作。1975年に、名もないパンク・バンドがレコーディングした曲が、巡り巡って2012年に地球滅亡の危機を救う!? というなんとも不思議なストーリー。

その中で、森山未來が演じるのは、幼き頃から“正義の味方”として育てられたフェリーで働くコック瀬川役。「台本には丸太みたいな腕をしている瀬川って書かれていて、なんで俺なんだろう?」と思ったという森山だが、勧善懲悪的でない“正義の味方”というキャラクターに魅了されたと振り返る。

「彼は“正義の味方”になるべく育てられるけど、正義というあいまいなものに“味方”する事に疑問を抱いていて、物語の中でもちょっと異質な存在に思えたんですね。だから、いわゆるヒーローと呼ばれるキリっとしている感じにはしたくなくて、ちょっと髪をぼさぼさにしてみたりして、禅修業するような抑圧的な生活を送っている人の表情をイメージしながら作っていきました」

中村監督から衣装合わせ時に「準備してきた人が持つ強さが欲しい」と言われたと明かす森山は、文字通り“準備”することで「瀬川という役にあやかろう」と思ったのだそう。

「瀬川の言葉や取り巻くシチュエーション、格闘技(アクション)を通して、正義や悪について考えたり。彼が読んでいる『山月記』を読むことで自分としても思うところがあったり。実際の撮影期間は短かったのですが、いろんな事を吸収する撮影でしたね。役に対してどれだけ準備するかは個人差があるし、どこで満足するかは自分次第だけど、コツコツ積み上げるって大事なことだと思います」

時代を越えて、いくつもの出来事が結末に向かって収束する本作の中で、彼が登場するのは2009年にフェリーで起きたエピソード。見どころは、シージャック犯と繰り広げる華麗なるアクションだ。「格闘技系の経験はない」と明かすが、日々の鍛錬によって反射的に身体が動くという役どころを見事に体現している。

「今回、初めて人の首を蹴るという経験をしたんですけど、本当に技術がいる作業で、難しかったけど面白くもありました。他にも自分の体をブーメランみたいにして飛ばしたり、また機会があればやりたいですね」

この春には、宮藤官九郎作・演出の舞台「メカロックオペラ R2C2」も控える森山未來。長年続けているダンスはライフワークのひとつ。

「踊ることは自分の創作する欲に近くてモチベーションへと繋がるもの。そのエネルギーを、映画やテレビドラマや舞台で吸収するものと相乗させていきたいですね。『フィッシュストーリー』なら静と動の瞬間。そのひとつひとつが大事だし無駄にできない。今でも自分を役者って認識したことないんです。やっぱり、“表現者”でありたいから」【MovieWalker/大西愛】

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