『バレット』シルヴェスター・スタローン「僕の声を全編にわたって使った初の映画なんだ」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『バレット』シルヴェスター・スタローン「僕の声を全編にわたって使った初の映画なんだ」

インタビュー

『バレット』シルヴェスター・スタローン「僕の声を全編にわたって使った初の映画なんだ」

シルヴェスター・スタローンが裏社会で生きる殺し屋に扮したクライムアクション『バレット』が6月1日(土)より公開される。相棒を殺されたことで信念を捨て、若き刑事とコンビを組むことになった殺し屋の壮絶な戦いが描き出される。スタローン演じるジミー・ボノモとコンビを組む刑事には、『ニンジャ・アサシン』(09)のサン・カン。ウォルター・ヒル監督が『デッドロック』以来、10年ぶりにメガホンを握った力作だ。今回、主演のスタローンのインタビュー、さらに本編映像が届いた。

――この映画の見どころはどこでしょう?

「現実のストレスから逃避することができるエンターテインメントだ。今後が楽しみな若手俳優たちの素晴らしい演技が映画の質を上げてくれているよ」

――演技の難しさはありましたか?

「演技をするうえで一番難しいことは、自分をしっかり持つことだ。カメラが回ったら、飛び上がったり、走り回ったり、とにかく普通じゃない、大げさなことをやらなければいけないだろ。だけど本物の演技というのは、何もしていない時にこそ現れるんだ。オーバーな演技ではなく、何気ないリアクションにね。この映画は、実際に僕の声を全編にわたって使った初めての映画だ。気に入られようとか、うまく立ち回ろうなんて考えなかった。あるがままに演じて、その結果は監督の判断に任せたんだ」

――演じたジミー・ボノモはどんなキャラですか?

「彼は自分のことを、街の汚れを取り除く問題解決役だと信じている。彼はその仕事では知られた男で、自分の認めた人間の仕事しか引き受けない。そんな彼が、今まで経験したことのない事態に直面する。裏切られ、彼を嫌っているアジア人刑事と組むことになるんだ」

――ウォルター・ヒルが本作の監督に決まってどう思われましたか?

「本当にほっとしたよ。やっと彼と仕事ができたしね。このプロジェクトは最初からトラブル続きで、監督がなかなか決まらなかったんだ。この映画のスタイルを考慮して、ウォルター・ヒルが良いんじゃないかと提案してみたが、最初は良い反応が戻ってこなかった。彼はしばらく監督業をしていなかったしね。だけど、彼とミーティングをしてみて、参加が決まった。彼は、この映画をとてもエンターテインメント性にあふれるものにしてくれた。古典的な画面切り替えの手法に、現代のテクノロジーを取り入れたりね」

――原作は読まれていたのですか?

「このプロジェクトに参加が決まるまで読んだことがなかった。演じたキャラクターと自分の見た目があまり似ていないことに気付いたよ。(コミックでは)『エクスペンダブルズ』の時みたいな顎髭を生やしているだろう?コミックは、キャラクターがとても面白いね。何と言うか、新しいカルチャーを感じた。ジェイソン・ボノモのキャラクターも面白いし、娘のサラも強いキャラクターだ。才能を感じるね。とても面白いと思うよ」

――ヘアースタイルについてどうですか?

「すごく気に入ったよ!運命が大きく変わった瞬間だ。もう、目覚めた時の寝癖を気にしなくて良いんだからね」

――本作のストーリーについてはどう思われましたか?

「モラルの描き方が好きだ。悪役であっても、完全な悪としては描かれない。ランボーなんかとは違うんだ。それに、皮肉な表現がちりばめられている。すごく辛口なユーモアがね。それに、ボノモという名前が良い。今はもうなくなってしまった、子供の頃に好きだったキャンディ、ボノモのターキッシュタフィを思い出すからね。ボノモというおかしな響きをずっと覚えていたのが、今になって殺し屋の名前として再会したわけだ」

――アンチバディムービーと言えそうですね

「ジミーが、どういうわけか、異常なくらいに理想主義の刑事と組んで仕事をすることになる。これ以上のアンチバディムービーはないだろうね。ジミーは、彼が必要なくなれば、すぐに彼の頭を撃ち抜いてしまうつもりだった。逆も同じで、殺されてもおかしくない。そんなわけだから、最初は絶対にうまくいくなんて思えないんだが、徐々に形になっていくんだ」

――セリフについてはいかがですか?

「道徳的に不適切な、差別的な表現のセリフを言うのは、楽しかったよ。なかなか、ああいうことを堂々と言えるチャンスはないからね。確かに話している内容は不適切かもしれないが、映画的には、彼がどんな男かを表現する役に立っている。だが、時に彼はジョークを言っているつもりもなく、アジア人を差別するような表現を口にしているだろう。面白い男だが、やはり黒社会に生きる人間なんだ」

――アクションシーンはきつかったのですか?

「きつかったよ。拳を握って戦うシーンは、やっぱり実際に痛みを感じるしね。それに、斧や木の棒を使っているから、当たれば痛い。長い棒を使ったので、感覚に頼らず、動きを体で覚えていくしかない。それに、カーボン製のかなり固い刀を使っていた。でも、一番きつかったのはオーク材の木だ。叩き付ける度に手がびりびりと痺れた。ジェイソンも僕も、そういうシーンが多かったが、何度も取り直すのは勘弁してほしいと思ったよ。だけど、おかげで面白い絵になったと思う。単に拳銃でバンバン撃つだけじゃないからね」

――体の維持は大変でしたか?

「数ヶ月、かなり真剣にトレーニングを行ったよ。体を調整していったんだ。『Grudge Match』(全米2014年公開予定、共演にロバート・デ・ニーロら)という映画の撮影を控えていたから、後で8ポンドほど落とすつもりで体を作っていった。トレーニングは楽しかったよ。馬鹿みたいに筋肉をつけすぎないように注意したんだ。70になった男があまりにも筋肉質だと不自然だからね。だから、タイトだけれど、しっかり調整された体に仕上げた」【Movie Walker】


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