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マシュー・フォックス、『終戦のエンペラー』の恋は「実体験と重なった!」

インタビュー

マシュー・フォックス、『終戦のエンペラー』の恋は「実体験と重なった!」

人気海外ドラマ「LOST」のマシュー・フォックスが、主演映画『終戦のエンペラー』(7月27日公開)で来日。舞台は太平洋戦争直後の日本で、彼が演じたのは、マッカーサー元帥から、開戦の真相を追求するという特命を受けたボナー・フェラーズ准将役だ。本作では、捜査で苦戦を強いられるフェラーズの奮闘を軸に、かつて愛した日本人の恋人とのロマンスも並行して描いていく。マシューにインタビューし、気になる撮影秘話を聞いた。

今回彼は、GHQとして働くフェラーズ准将と、アヤと恋をしていた大学時代の若きフェラーズの両方を演じ分けなければいけなかった。「終戦直後のフェラーズはマッカーサーから、すごい難題を押し付けられ、葛藤する。でも、大学時代のフェラーズはまだ無垢で、アヤという魅力的な女性に取り憑かれたように恋をするんだ。だから過去のパートは叙情的に、一生に一度の恋をするという感じで、ロマンティックに演じようと思ったよ」。

情熱的な国境を超えた恋。マシューによると、ふたりの恋は、自身の実体験とも重なったと言う。「なぜなら、僕の妻もイタリア人で、僕が20歳の時に恋した女性なんだ。当時、彼女は英語をしゃべれなかったし、僕もイタリア語を話せなかったけど、互いにどんどん惹かれ合ってしまった。だから、このロマンスには、個人的にすごく共感できたんだ」。マシューの妻はイタリア人の元モデル、マルゲリータ・ロンキだが、まさに映画を地で行くエピソードで、なんともロマンティックだ。

アヤ役の初音映莉子とは、役柄上、深い信頼関係を持てるようにと、ピーター・ウェーバー監督に勧められ、ふたりで映画を見に行ったりしたそうだ。「見たのはスピルバーグの『戦火の馬』(07)。食事にも行ったりしたよ。お互いに仲良くなれるよう頑張ったけど、上手く行ったんじゃないかな。日本人キャストはみなさん、本当にすばらしかった。日本の演技のスタイルに昔から感心があったし、言葉や文化背景が違う俳優陣との競演は楽しみにしていたよ。彼らと張り詰めた演技をしなければいけないってことは、とてもチャレンジングだったけど、すごく良い経験ができた」。

マッカーサー元帥役のトミー・リー・ジョーンズについても「すばらしい俳優だった」とリスペクト。「トミーは撮影の終盤、3週間だけ参加したけど、あれだけの経歴の持ち主だから、現場に来ただけで雰囲気が変わったよ。本当に緊張感が走ったけど、彼は僕の上司役ってことで、設定的にはちょうど良かった。トミーはプロ意識がすごく高く、準備も徹底的にやってくる。そして現場では、テキパキと進めるのが好きな人だった。見ていてすばらしいと思ったよ」。

また、全員が同じ方向を向いて作品に取り組んでいたとも語る。「みなさんが異文化の想像理解を深めようと、本当に熱心に取り組んでいた。あの時代の日米の文化を描くわけだから、とにかく精魂込めて、この映画を作ろうという情熱を感じたよ」。確かに『終戦のエンペラー』は、日米キャストがそれぞれのパートで存在感を発揮し、アンサンブル演技そのものにも見応えがある。また、終戦直後の日本を新しい切り口で描いたハリウッド映画としても実に興味深い。【取材・文/山崎伸子】

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