中島知子、結婚もアリ!?『ハダカの美奈子』の子どもたちに感激|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
中島知子、結婚もアリ!?『ハダカの美奈子』の子どもたちに感激

インタビュー

中島知子、結婚もアリ!?『ハダカの美奈子』の子どもたちに感激

ドキュメンタリー番組「痛快!ビッグダディ」の美奈子の同名自叙伝をベースにした『ハダカの美奈子』(11月9日公開)で、ヒロイン美奈子役を演じた中島知子。『三年身籠る』(06)以来、7年ぶりに主演を務めた中島にインタビューし、久しぶりとなった映画の現場でのエピソードを語ってもらった。

父親からのDV、10代での妊娠や出産、離婚、ビッグダディとの出会い・別れという、かなり激しい人生の荒波を乗り越えてきた美奈子。本作では、美奈子と6人の子どもたちの10年後を想定した未来の物語が、壮絶な過去を挟みながら展開されていく。脚本を手掛け、メガホンを取ったのは、『女の子ものがたり』(09)、『上京ものがたり』(12)で女の子たちの心のひだを繊細に切り取ってきた森岡利行だ。

美奈子役を演じるにあたり、主演ということはあまり意識しなかったと言う。「自分がずっと見てきたドキュメンタリーは、ダディや子どもたちのドラマが面白かったです。だから重要なのは、ミナちゃんの子育ての上手さをどう表現するかってことなのかなと。私は子育てをしたことがないので、そこをどう演じるのかが難しかったです。だから、主演というよりも、子どもたちの演技に合わせ、いろいろ試してみたりしました」。

原作者の美奈子は、長男シオンの婚約者・松岡由香里役で出演している。「ミナ(美奈子)ちゃんと撮影の合間にしゃべったりしていましたが、テレビのままです。ハキハキとしっかりしている方。腹が据わっているというか、堂々としていました。私はファンだったので、『おお!出た!』と思って、ちょっと嬉しくなりました。完全にファンの目線ですね(笑)」。

実際に美奈子として、子育てを疑似体験した中島は「こんなにかわいい子どもたちがいるんだったら、結婚してみても良いかなとは思いました。世の中にいろんな親がいるなか、ミナちゃんはどちらかというと、子どものやりたいようにさせていて、それを見ている子どもたちは、お母さんのフォローをするようになっていく。監督の子どもたちの描き方も、お母さんのことは絶対に裏切らないというスタンスでした。そういう意味でも、子どもたちの演技を見て、自分の方も勉強していくという感じでした」。

演じるうえで難しかったのは、子どもが家を出ていくことになるというくだりだったらしい。「どこまで悲しむのかというさじ加減がわからなくて。子どもたちはとても一途で、その良さはすごく伝わってきたんですが、自分としては子どもが出ていくだけでこんなに悩むのかなあと。思わずミナちゃんに電話して聞いてみたくなったけど、でも、これって10年後の話だから聞けなくて。たとえば、自分に子どもができたとしても、どちらかというと、さっさと出ていけ!という感じだと思ってしまいました(苦笑)。ただ、実際にミナちゃんの立場になると違うんでしょうね」。

原作者の美奈子も、長男シオンの婚約者・松岡由香里役で出演している。由香里も子沢山の設定だ。「ミナちゃんは、子どもをあやすのが本当に上手かった。だから私は、彼女を見て、どうやったらそういうふうにできるんだろうと観察していました。そういう意味で、ドキュメンタリーのドキュメンタリーみたいな映画になっています。また、子どもたちとの共演が多かったのですが、彼女たちが真摯にそれぞれの人生を生きていて、感動しました。美奈子役を演じるのは難しかったけど、本当に楽しかったです」。

子どもたちと共に、前を向いてたくましく生きている美奈子の生き様と、女優・中島知子の強さがシンクロする。『ハダカの美奈子』は、絶妙なキャスティングとタイミングによって導かれた作品になった。【取材・文/山崎伸子】

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