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衝撃!ジェームズ・マカヴォイ、病気の演技もおならもリアルだった

インタビュー

衝撃!ジェームズ・マカヴォイ、病気の演技もおならもリアルだった

『トレインスポッティング』(96)の原作者アーヴィン・ウェルシュの小説を、『つぐない』(07)のジェームズ・マカヴォイ主演で映画化した『フィルス』(11月16日公開)。メガホンを取ったのは、新進気鋭のジョン・S・ベアード監督だ。ウェルシュはベアード監督を深く信頼し、以前から映像化したいと思っていた『フィルス』のメガホンを委ねた。2人が揃って来日し、インタビューに答えてくれた。

出世欲が強く、人を蹴落とすことしか考えてないスコットランド人刑事ブルース・ロバートソンが、ドラッグに溺れ、心身共に蝕まれていく。ブルース役に扮したマカヴォイの研ぎ澄まされた演技には息を飲む!本作の映像化については、いろんな人からオファーを受けていたというウェルシュ。「こういうふうに撮りたいと脚本を持ってきたりするけど、あまり良いものではなかったし、資金も集まらなかった。ベアード監督とは、共通の友人を通して出会ったが、映像化のビジョンが、非常に納得のいくものだった。かなり初期の段階で意見が一致し、同じ目標を持つことができたよ」。

ベアード監督は、以前からウェルシュの大ファンだった。「アーヴィンは世界的に有名な小説家。僕にとっての彼はヒーローだったから、そんな彼と一緒に仕事ができるのはとても光栄なことだった。今回アーヴィンは、エグゼクティブプロデューサーも務め、映画が完成するまでいろいろとサポートをしてくれた。たくさんの議論を重ねたけど、基本的には脚本を任せてくれたんだ」。

映画の舞台はスコットランド、監督もウェルシュも主演のジェームズ・マカヴォイもスコットランド人だが、その点はどうしてもこだわりたかったとベアード監督は言う。「スコットランド出身の役者にすることは最初から決めていたけど、そのことでかなり選択肢を絞られてしまった。スコットランド人の俳優で、十分に資金を集められるスターってそんなにいないので。その後、マカヴォイに決定したんだが、彼は素晴らしい仕事をしてくれた」。

ウェルシュは、マカヴォイの演技だけではなく、出来上がった映画全てに太鼓判を押す。「ジェームズは本当にすごい俳優だと思った。でも、他の俳優陣も素晴らしく、キャスティングにはすごく満足している。また、映像がすごくスタイリッシュだと思った。監督がきちんと細かくビジョンを立てていただけのことはある」。

その後、ベアード監督の口から出た、マカヴォイの役者魂には思わずのけ反ってしまった。「彼はとても熱心で、自分の方から意見を出したりしてくれた。また、彼がだんだん体調を崩していくシーンがあるけど、あれはメイクとか特殊効果ではなくて、本当に病気っぽくなっていたんだ。劇中で臭いおならをするシーンでも、本当にしていたよ」。え!?おならまで!?さすがは、筋金入りの演技派スターだ。

監督は「彼はまるで演技マシーンのようだった」と絶賛する。「それくらい、徹底して何でもやってくれたんだ。休憩時間もトレーラーに戻らず、ずっとセットにいたよ。正直、この役をやること自体が大胆なチャレンジだったと思うけど、やると決まったら、中途半端じゃなく、徹底的にやってくれた。それは彼のキャリアにとっても重要なことだったと思う」。

人気小説を映像化するに当たり、原作者と監督が相思相愛という関係性はベストである。『フィルス』がクオリティの高い映画となったのは、2人を含めた俳優陣たちと、絶妙なコラボレーションが実現したからだろう。『トレインスポッティング』ファンじゃなくても、イチ押しの作品なので、是非、映画館で見てほしい。【取材・文/山崎伸子】

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