『永遠の0』岡田准一、背負うものが重く「眠れない日々が続いた」というその本音とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『永遠の0』岡田准一、背負うものが重く「眠れない日々が続いた」というその本音とは?

インタビュー

『永遠の0』岡田准一、背負うものが重く「眠れない日々が続いた」というその本音とは?

累計460万部突破のベストセラー小説の映画化『永遠の0』(12月21日公開)。ときは太平洋戦争末期。戦うことよりも妻や幼い娘のために生きて帰ることに執着し、仲間から「臆病者」とまで言われた天才パイロット・宮部久蔵。本作のメガホンを取った山崎貴監督から、「宮部役には岡田さん以外考えられない」とのオファーを受けた岡田准一。穏やかで、優しく、だが誰よりも強い意志を持つ宮部を魅力的に演じ切っている。

「山崎監督とお仕事させていただきたかったですし、戦争を経験した方々が少なくなっていく時代にこういう作品が作られることは大事だと思いました」と、出演の理由を語った岡田。自ら演じた宮部役について、「宮部は、『臆病者だ』と証言されますし、一見そう見えるかもしれませんが、戦うことを怖がっていたわけではないんです。愛が深く、人のために生きることができるキャラクターで、僕は宮部をいい男だと思って演じていました。外見的なことではなく、内面的なカッコ良さを表現したくて、宮部の人間性とか、器の大きさを感じてもらえるような演技ができればと思っていました」。

現代パートで、三浦春馬演じる孫・健太郎が、宮部の戦友たちを訪ねて行くと、彼らは宮部に言われた言葉を何十年も心の支えにしていることがわかってくる。「何十年たっても、宮部の言葉を覚えているって衝撃的だと思うんです。どのように伝えればそれほど人の心に残るのか、演じる上ですごく考えました。観客の方や宮部についての証言者を演じた俳優の方々が、映画をご覧になったときに『この男について話していたのか』と納得してもらえる宮部像を演じないといけない。そのためには、頭で考えたり、技術に頼ったりするのではなく、何かを醸し出したり、そこに(宮部として)居ることが大切。そう思ったので、その場で嘘なく、宮部 として存在できるよう意識していました」

宮部役を演じているときは、背負うものが重く、「眠れない日々が続いた」という。現場でも、静かに一人でいることが多かったが、宮部の教え子・大石を演じる染谷将太は、二度目の共演ということもあり、「かなりいじりまくった(笑)」とか。「ちょうど染谷くんが20歳になる時期にご一緒したんですが、本当にかわいい(笑)。『この映画は染谷くんにかかっているから、頼むぞ』とプレッシャーをかけると、いつもいい笑顔で『はい』と言ってくれて。かわいくてしょうがなかったです(笑)」。

完成した映画については、「シンプルに、いい作品に出られて良かった、呼んでもらえてよかった思う作品になっていました」と、率直に感想を語っていた岡田。「壮大な愛の物語で、監督が命を削るように撮られているのを見ていましたから、それについて行こうと思いつつ、撮影に臨んでいました。この映画を撮っているときは、(作品との)縁を感じる出来事が多かったんです。関わった誰もが全力を尽くしたから、自分たちも、たぶん監督も意図していない不思議な力がある作品になったのではと思います」と手ごたえを語ってくれた。

岡田准一はじめ、キャスト陣がそれぞれの役柄を好演しているのはもちろん、山崎貴監督が作りだす臨場感あふれる空戦シーンなど見どころもたっぷりで、見終わった後に、深い余韻を残す本作。宮部が特攻を選んだ裏にある衝撃の真実と、宮部が命がけで残したメッセージとは果たして何なのか。ぜひ映画館で目撃して欲しい。【取材・文/森祐美子】

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