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映画のプロが選ぶ今年の最高傑作は?

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映画のプロが選ぶ今年の最高傑作は?

最新映画を本音でジャッジするイベントの第3弾「シネマ遺産 チャプター3」が12月21日にネイキッドロフトで開催。松江哲明監督、映画コメンテーターの有村昆、映画パーソナリティの伊藤さとり、お笑いコンビ「飛石連休」の藤井ペイジが2013年の公開作をメッタ斬り&最高傑作を選出した。

本イベントは、話題となった最新作を映画のプロが批評。映画界の文化遺産として残すべきか残さないべきかを鋭く審査するもの。第3弾となる今回は、まずはここ2~3か月公開となった映画からジャッジ。全員が「素晴らしい!」と声をそろえたのが、サンドラ・ブロック&ジョージ・クルーニー主演のSFサスペンス『ゼロ・グラビティ』だ。

松江監督は「絶対に今年、一番。すごいですよ、これは!」とイベントが始まるやいなや、マスターピースとして本作を猛プッシュだ。「『宇宙空間って、こういうものなんじゃないか』と思わせる説得力がすごい」と興奮気味に語ると、藤井も「あれ、きっと宇宙に行っていますよ」とつぶやき、会場も大爆笑。

「映画は発明だと思っている」と言う有村は「宇宙の無音の緊張感を表しているところが、すごい」、伊藤も「五感で味わう映画。アカデミー賞の視覚効果賞や主演女優賞にも絶対に入るんじゃない?」と目を輝かせる。さらに松江監督が「同じ(アルフォンソ・)キュアロン監督の『トゥモロー・ワールド』(06)は、ここ10年で一番だと思ったけど、それを超えたのが『ゼロ・グラビティ』」と推すなど、大絶賛だった。

続いて、邦画作品として全員が「良い!」と一致したのが、園子温監督作『地獄でなぜ悪い』と堀北真希主演作『麦子さんと』。『地獄でなぜ悪い』については、クライマックスについて喧々諤々。「びっくりした」、「園監督が今、どうしても作らなきゃいけない映画という気がした」との意見が出た。『麦子さんと』に話が及ぶと、伊藤が「おじいちゃんおばあちゃんから、子供まで見に来ていた」と初日の様子を報告。松江監督は「堀北真希さんが大好き」と告白し、「この映画は、堀北さんの代表作になった」と太鼓判を押していた。

また、後半はゲストとして、お笑いコンビ「スピードワゴン」の小沢一敬も加わり、さらに映画談義もヒートアップ。「映画はセリフで見る」という小沢のリードで、“好きなセリフ対決”がスタート。『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズをはじめ、世代ならではの好きな映画のトリビアを披露するなど、爆笑トークで会場を盛り上げていた。

最後には、1年を4期に分けてベストムービーを決定。『世界にひとつのプレイブック』『ライジング・ドラゴン』『パシフィック・リム』『ゼロ・グラビティ』の4本から、最終的に2013年の“シネマ遺産”を選ぶことに。結果、満場一致で『ゼロ・グラビティ』に“シネマ遺産2013”の栄光が輝いた。「面白くない映画・残念な映画」まで、会場を巻き込んでの爆笑討論で一年を振り返ったこの日。業界の“生”の声に触れ、「誰かと今年の映画の話をしたい!」との気持ちも叶える企画に、会場も大満足の様子だった。【取材・文/成田おり枝】

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