妻夫木聡と北川景子が苦戦!英語のスピーチの爆笑舞台裏とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
妻夫木聡と北川景子が苦戦!英語のスピーチの爆笑舞台裏とは?

インタビュー

妻夫木聡と北川景子が苦戦!英語のスピーチの爆笑舞台裏とは?

妻夫木聡と北川景子が、広告業界の裏側を描く爆笑コメディ『ジャッジ!』(1月11日公開)で初共演!世界の一流クリエイターたちが集うCMの広告祭という晴れ舞台で、妻夫木扮するダメダメお人よし男と、北川扮する仕事ができる美人OLが、夫婦を装って現地入りし、社運を懸けた自社CMの売り込みに大奮闘する。そのユニークな作品の舞台裏について、2人にインタビューした。

ソフトバンクの「ホワイト家族」などを手掛けたCMプランナー澤本嘉光の脚本を、CMディレクターとして活躍し、映画は『いぬのえいが』(05)に続いて2作目となる永井聡監督がメガホンを取った『ジャッジ!』。妻夫木は脚本について「久しぶりに『ウォーターボーイズ』(01)を読んだ時と同じような感覚で読みました」と言う。「澤本さん特有の親近感のある温かい笑いがあり、最後に何かを成し遂げるという構図が良いなあと。『シコふんじゃった。』(92)や『Shall we ダンス?』(96)、三谷(幸喜)さんの作品のような、古き良き日本映画がずっと続けてきたものが久しぶりにできるんじゃないかという期待感がありました」。

確かに、妻夫木たちの凸凹迷コンビをはじめ、予断を許さない展開と、散りばめられた小ネタがたまらない。北川も脚本段階でとても気に入った様子。「脚本は、単純に読み物として面白く、ストーリーに引き込まれました。面白いだけじゃなくて意味がある、お客さんに勇気を与えられる作品かなと思いました。あとは、広告の方がメガホンを取るので、どういう撮影方法でどういう映像にしていくのかなと、いろいろと想像していました」。

インターナショナルな広告祭ということで、2人は劇中で英語のスピーチを披露する。できない男役の妻夫木は、監督から「あまり上手すぎず、でも、下手すぎないでください」とリクエストをされた。「たぶん日本人らしい日本語英語で良いだろうと思って、思い切りそれをやったのですが、プロデューサーの1人であるフジテレビの石原隆さんが『あんなにも日本語英語を自信満々にしゃべる映画は初めて見たので、スカッとしました。日本人だってことを恥じてないところが良かったです』とおっしゃっていて。ほめられたのかどうかよくわからないですよね(笑)」。

優秀なできる女子役の北川は、「英語をちゃんとしゃべってほしい」という命を受けた。「でも、私は帰国子女でもないので、ずっとテープを聴いてやっていました。でも、そのかいあって、現場で英語指導の先生が『すごく上手でした。ネイティブみたい』と言ってださったのに、撮影の時、セミがすごく鳴いていて、全部アフレコになったんです」。妻夫木も「ええ!けっこう収録、長かったのに」と驚くと、北川は「しかも忘れた頃にアフレコで、もう一回勉強をし直して、大変でした」と恨み節。妻夫木が「外国人キャストの人たちから『彼女は英語しゃべるの?』と、何回も聞かれたよ。ただ、答え方がわからないから、とりあえず笑ってごまかした」と言うと、北川も「私も話しかけられた時、ニコってするしかなくて」とおちゃめな笑顔を見せた。

2人は初共演となったが、北川は妻夫木の座長ぶりをこう称える。「サービス精神が旺盛な方で、お芝居以外のところでもすごく気を遣われる。妻夫木さんに、キャストもスタッフも寄っていく。私はすごく人見知りで、特に年の近い男性とかどう接していいかわからない時があるのですが、なんか大丈夫だなと安心しました。絶対に優しくしてくれるとわかっていたから、金魚の糞みたいにくっついてました(笑)」。妻夫木は「いや、そんなことないでしょ。俺の方がただの犬だったんじゃないかな。じゃれていました」と照れ笑い。仲睦まじい雰囲気は、作品にも投影されている気がした。

映画も伊丹十三作品や『Shall we ダンス?』の周防正行監督作品、三谷幸喜作品など、コメディをこよなく愛しているという妻夫木。「山田洋次監督の『寅さん』(『男はつらいよ』シリーズ)もそうですが、昔はそういう映画がたくさんあった。エンドロールを見ながら、ああ、良い映画だったな。よし、帰るか、という映画って良いじゃないですか。たまにずしんと重い映画を見て、命について考えさせられたりするのももちろんありですが、僕は10回に8回はスカッと帰りたいんです。だから、こういう映画を絶やしちゃいけないんです」。

ドタバタ爆笑コメディ『ジャッジ!』は、妻夫木の言うとおり、見れば思い切り笑えて、清々しい気分になれそう。新しい年の幕開けとして、“初笑い”の映画にはもってこいなので、是非、気のおけない仲間や家族と見に行ってほしい。【取材・文/山崎伸子】

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