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広告業界の舞台裏がまるわかり!永井監督の裏話に大爆笑

インタビュー

広告業界の舞台裏がまるわかり!永井監督の裏話に大爆笑

トヨタ自動車「TOYOTOWN」やサントリー「グリーンDAKARA」などのCMで知られる売れっ子CMディレクターの永井聡監督が、妻夫木聡と北川景子が初共演した爆笑コメディ『ジャッジ!』(1月11日公開)で長編監督デビュー!永井監督が、オムニバス映画『いぬのえいが』(05)の短編に続いてメガホンをとった本作は、小ネタで笑わせ、最後に感動の結末を迎えるというウェルメイドな娯楽映画に仕上がった。永井監督にインタビューし、撮影裏話や面白エピソードについて聞いた。

できない広告マン太田喜一郎(妻夫木聡)は、会社の上司・大滝一郎(豊川悦司)の命で、審査員としてサンタモニカ国際広告祭に参加する。太田は、偽の妻に扮した、できる同僚・大田ひかり(北川景子)と現地入りし、自社CMを売り込もうと大奮闘。主演の妻夫木は、のび太くんを彷彿させる、お人良しでバカ正直なダメ男だ。

永井監督は、妻夫木について「彼は、太田とは全く違う、すごくサバサバしていて男っぽい方」と言う。「顔も格好良いし、頼りない男を演じさせるには、難しいと思ったけど、彼はきっちりと役を作ってきてくれました。ダメすぎても、見る人が応援してくれなくなるので、そのさじ加減が難しかったと思います」。永井監督は、妻夫木の演技以外の部分も賞賛する。「妻夫木くんはみんなに話しかけ、リラックスさせてくれて、良い現場を作ってくれました。さすがは座長だなあという感じでした」。

北川景子については「本当にストイックな人」だと評価。「北川さんは、僕が言ったことを絶対聞き逃さないように、ずっと脚本にメモを取っていました。まるで、塾の先生の話を聞いているかのように。妻夫木くんはどちらかというと、コミュニケーションを取りながら決めていくというタイプで、監督が言うことに何かプラスして現場にやってくるんです。アプローチの仕方が全く違って面白かったですね」。

脚本を手掛けたのは、トヨタ自動車「ReBORN」ドラえもん篇や、ソフトバンクの「ホワイト家族」などを手掛けたCMプランナーの澤本嘉光で、永井監督とはCMでは何度かタッグを組んでいる。海外の広告祭で受賞歴のある2人だからこそ、その裏話がリアルで実に興味深い。

「オーバーに描いていますが、7、8割が本当のことです。広告祭のロビー活動にしても、外国人は不正をしているという感覚がない。彼らは自分の作品が好きだから、それをみんなに勧めて何がいけないんだという感じです。でも、日本人はかなりフェアだから、自分たちの作品をあまり勧めません。また、澤本さんが、広告祭の審査員をやった時、日本人で注目もされないし、英語も下手だということで、太田と同じように目立つ目的でアニメのTシャツを着ていったそうです。その時のグループにオカマの人がいて、みんなに気持ちが悪いと言われていたエピソードも事実です(苦笑)」。

日本でのCM作りのやりとりもほとんどが実話をアレンジしたものだ。「たとえば、『こうしないと来年、発注しないよ』というおどしはよくあります。クライアントから、CMが出来上がった後に、『役者が着ている洋服が嫌いだ』と言われ、CGで全部洋服を変えたりすることもありますし」。だとすれば、ここまでリアルに描いて、永井監督たちの立場は、大丈夫ですか?と尋ねると「そうですね。クライアントさんや代理店さんが見ると、笑えないんじゃないかと思います」と苦笑い。

最後に、永井監督は本作について「難しいことを考えずに、105分、気持良く笑って劇場を出ていただきたい。肩の力を抜いて楽しんください」としっかりアピール。2014年、正月明けは、『ジャッジ!』を見て、思いきり笑ってハッピーな気分をおすそ分けしてもらおう。【取材・文/山崎伸子】

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