世界最先端の技術を持つBBC EARTHのオフィスへ!『ネイチャー』誕生の舞台裏を直撃取材|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
世界最先端の技術を持つBBC EARTHのオフィスへ!『ネイチャー』誕生の舞台裏を直撃取材

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世界最先端の技術を持つBBC EARTHのオフィスへ!『ネイチャー』誕生の舞台裏を直撃取材

『ディープ・ブルー』(03)、『アース』(07)、『ライフ いのちをつなぐ物語』(11)、そして現在公開中の『ネイチャー』。ここ日本でも数多くの観客に支持されてきたネイチャー・ドキュメンタリーの秀作の数々。それらを生み出してきたBBC EARTHとは一体どんな組織なのか?先日、『ネイチャー』の取材をするために、その拠点がある英国のブリストルに赴いた。

19世紀まで港町として栄え、現在もイングランドで6番目に人口が多い中規模の都市のブリストル。歴史的にアフリカやジャマイカからの移民が多く、音楽界においてはマッシヴ・アタックやポーティスヘッド、美術界においてはバンクシーなど尖ったアーティストを生み出してきたことでも知られる街だが、近年は港周辺の再開発も進み、街の雰囲気はとても落ち着いたアカデミックな空気に包まれている。BBC EARTHが送り出すネイチャー・ドキュメンタリー作品は、この街のBBCブリストルで製作されている。

ちなみに「BBC EARTH」という名称はネイチャー・ドキュメンタリー作品を発信する際のBBCのグローバルブランド名で、正式な部署名は「NHU(ネイチャー・ヒストリー・ユニット)』。窓から自然光が射し込む、古いアパートメントを改造したようなリラックスした作りのこのオフィスから、3Dや4Kといった世界最先端の技術を駆使した作品が生み出されていることに軽く驚かされた。デスクの空席が目立つのは、この瞬間もスタッフが世界を飛び回っているからだろうか。

BBCは言うまでもなく英国の公共放送局。ただ、日本の公共放送局のNHKと比べると、そのコンテンツの世界への発信力は格段に上だ。その理由を、『ネイチャー』の共同監督であり、BBC EARTHのクリエイティブ・ディレクターでもあるニール・ナイチンゲールは次のように語る。

「公共放送局のBBCは、その子会社である営利組織のBBCワールドワイドと強いつながりがあるんだ。BBCの主な事業は英国内のテレビとラジオの放送事業だけど、BBCワールドワイドは常に世界中の視聴者を対象にしていて、僕たちはそこでBBC の持つ貴重な財産や技術や才能を使って、映画やインターネットなど、あらゆるメディアを通して世界中の人に見てもらえる作品が作れるんだよ。どんなにテレビの映像がデジタルできれいになっても、映画館のスクリーンでしか表現できないことはたくさんあるからね。そのために今回の『ネイチャー』は4Kの3Dカメラで撮影された。映画館で観ない限り、僕たちが意図していたものを観客が体験する事はできない。この作品の持つ緊張感や、思わず感情移入して作品に引き込まれる体験は、映画館だけのものだよ。僕たちはこの作品を究極の自然の映像体験にしたかった。そのために、テレビ番組を作るのに比べて何倍もの製作費をかけたんだ」

まさに“映画館でしか体験できない”、3D表現を新たな次元へと引き上げた大自然の驚愕映像が体験できる『ネイチャー』。地球に生まれたからには、一生に一度は体験しておきたい“旅”がここにある。 【取材・文/宇野維正】

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