衝撃シーン連発!映画ライター厳選、夏映画の“すごすぎる名場面”を見よ!【前編】|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
衝撃シーン連発!映画ライター厳選、夏映画の“すごすぎる名場面”を見よ!【前編】

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衝撃シーン連発!映画ライター厳選、夏映画の“すごすぎる名場面”を見よ!【前編】

夏休み本番ということで、Movie Walkerでは数ある夏映画のなかで、押さえておくべき作品を指南するべく、映画ライターによる座談会を初敢行!プライベートでも交流があるという相田冬二さん、高橋諭治さん、相馬学さん、村山章さんの4人に参加してもらい、7月25日~8月31日に劇場公開される夏映画約90本の中から“衝撃シーン”が味わえるテーマに作品をセレクト。日々、映画に深く携わっている4人が、思わず“すごすぎる!”と、うなってしまった作品とは?

■【ゴジラを心からカッコいいと思えるラストシーンの“背中”がやばい!】【我々のようなマニアにも全く媚びていないのが素晴らしい】とライター陣が絶賛!

◇作品No.1:『GODZILLA ゴジラ』(公開中)

――まずは全員がご覧になっている『GODZILLA ゴジラ』から始めます!ゴジラ映画に親しみのある日本人にとって、アメリカ産の本作はどう映りましたか?(編集部)

高橋:ギャレス・エドワーズ監督の前作『モンスターズ 地球外生命体』(10)が素晴らしすぎたこともあって、『GODZILLA ゴジラ』を見る前はその出来栄えが不安だったのですが…とても良かった。ただ単にゴジラの姿を大きく見せるだけではなく、ゴジラが現れるまでの気配も大切にしていましたね。

相田:ゴジラがなかなか出てこない点は、前作『モンスターズ~』にも通じています。怪獣がいきなり出てきて、いかにも“これから、戦いが始まりますよ”という雰囲気が全くないところが良かった。

村山:ギャレスは、怪獣だけではなく“怪獣がいる”という前提での世界を見事に描いていますよね。そこは前作から全くブレていない。もはやリアル系怪獣映画のエキスパートですよ、彼は。

相馬:監督が来日した際に取材したのですが、『エイリアン』(00)のように生き物がなかなか出てこないものを参考にしたと話していました。あとは、冗談でしょうけど「俺の作家性は生き物に交尾させること」とも言っていて…(笑)。

村山:その生き物はゴジラと敵対するムートーのことですよね。奴らの繁殖能力はすごい!でも人間だって同じで、自分本位で生き残ることに固執しすぎると、酷い目に遭うぞってゴジラが教えてくれている。ゴジラが怒ってあの青い熱線を吐くじゃないですか、あの“タメ”がイイですよね。

高橋:確かに、そうですね。なにより、我々のようなマニアにも全く媚びていないのが素晴らしいです。ある意味ゴジラは核兵器のようなものなので、日本とアメリカ、どちらかに肩入れする恐れもあったと思います。でも、そこはフラットに描かれている。

村山:日本人である我々は、おそらく怪獣映画を他の国の人よりも多く見ているはず。でも、ゴジラが心から“カッコいい!”と思える映画は数えるほどしかない。

高橋:そんな中での『GODZILLA ゴジラ』!今回、闘いを終えたラストシーンのゴジラの“背中”は特にカッコよかったなぁ。

相馬:わかります!哀愁ありました。

相田:冒頭のタイトルクレジットからの布石もあって、最後、あの背中に続いていくわけです。こんな本気の怪獣映画はこれまで見たことありません。今回、怪獣映画を真剣にやればできることが明らかになったと思う。しかも、アメリカ産。驚きです。

村山:日本人が悔しいと思うために、できるだけ、映画館に行ってこの映画を見上げてきたほうが良いと思います!

■【巨大ロボットがゆっくり動くスローモーショーンはマイケル・ベイにしか撮れない!】【ロボットがゲロ吐いているところはシリーズ初!?】と、エンタテインメントに徹するマイケル・ベイの手腕を高く評価!

◇作品No.2:『トランスフォーマー ロストエイジ』(8月8日公開)

――続いては今夏の大本命とも言える『トランスフォーマー ロストエイジ』はどうでしょう?ヒットメーカーであるマイケル・ベイ監督の評価が実際のところどうなのかも気になります…。(編集部)

相田:まず、2時間45分という無駄な長さに感動しました!正直、いつまでも終わらないでいてほしかったです(笑)。オプティマスプライムたちの動きがゆっくりじゃないですか、よっこいしょ、って。良い意味でも、あの間延び感がたまらなく良かったです。

相馬:スローモーションの部分ですよね?もったいつけたような大げさ感のある演出は、やはりマイケル・ベイにしかできませんよ。

村山:ベイの映画って無意味なサービスがたくさんあると思います。メインディッシュばかり出てきて、絶対にお腹いっぱいにさせてくれるといいますか…。

相田:例えば、お盆の時期に帰省して、祖父母がご馳走を振る舞ってくれる時に似てますよね。こんなに食べられないよ…でも、食べなきゃいけないような(笑)。

村山:まだまだ肉あるから、みたいな。ベイって一種の錬金術師だと思うんですよ。何もないテーブルからでも念力でご馳走を作り出せる。

高橋:個人的には、次から次へと料理が運ばれてくるのはしんどいなぁと思ってしまう。でも、そこも含めて楽しめるということですよね?

相田:そうですね。日本人にしかわからない感覚だろうけれど、“ベイの思いやり精神”ということですよ。

相馬:そして、それが商品として成り立つことをちゃんとわかっていますよね。

村山:ベイ自身も、過剰気味なこの映画のフォーマットを自分が発明した表現だと思っているはずです。映画の発展に貢献している部分もあるだろうし。もちろん、今回も“ベイ・クオリティ”なるものはあります。これまでヒット作を生んできた自信から生まれるクオリティは保たれているかと。だから、やっぱり彼にしか撮れませんよ。

相田:ベイの表現はある意味、現代アートと呼べるんじゃないかと。

相馬:監督特有のアメリカン・ドリーム的な要素は盛りだくさんですし、恐竜や高級車、キレイなお姉さんも出てきて、ファミリー層にも楽しめると思う。キャストが一新している点でも、シリーズ初めての人にもピッタリです。

村山:そうですね。初心者だろうが“楽しませる!”という姿勢は一貫してますね。

相馬:あ!あと、個人的に気になったのが、ロボットがゲロ吐いているところですね。多分、粒子だと思うのですが…あれはシリーズ初じゃないかと思います。

村山:そういうお楽しみも含めて、気になっている人は見に行ったほうが良いですよね。特にベイの凄味を知らないビギナーの人こそ見てほしい!

前半は今夏の2大ハリウッド超大作『GODZILLA ゴジラ』と『トランスフォーマー ロストエイジ』をピックアップして紹介。ライター各々がおススメを語ってくれた後編へと続く!【取材・文/トライワークス】

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