大泉洋、北海道への愛を語る!安藤裕子は「大泉さんが故郷を愛する気持ちに憧れる」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
大泉洋、北海道への愛を語る!安藤裕子は「大泉さんが故郷を愛する気持ちに憧れる」

インタビュー

大泉洋、北海道への愛を語る!安藤裕子は「大泉さんが故郷を愛する気持ちに憧れる」

『しあわせのパン』(2012)に続き、三島有紀子監督が大泉洋を主演に迎えて、再び北海道を舞台に描く心温まる映画『ぶどうのなみだ』が10月11日(土)より公開される。北海道出身の大泉にとって、格別な思いを抱えて飛び込んだ本作。故郷への思いについて、共演の安藤裕子とともに話を聞いた。

今回舞台に選ばれたのは、北海道・空知(そらち)。北海道の土地で育まれたワインと色とりどりの料理たちに触れながら、心の痛みや悲しみと向き合っていくストーリーだ。四季折々の美しさも登場人物たちを優しく包み込み、描かれるドラマとともにその土地への憧憬をかきたてるが、主人公のアオ役を演じた大泉は「北海道の魅力を伝えられる映画に出ることは、私にとって大きなこと」と話す。

企画は、大泉をはじめとする演劇ユニット「TEAM NACS」らが所属する芸能プロダクション「クリエイティブオフィスキュー」の鈴井亜由美社長が務めており、大泉は「さすがうちの社長ですよ」と笑う。「僕は役者ですから、『北海道の良さを伝えられる』役を演じたいと思うんですけれど、彼女はプロデューサーとして『北海道の良さを伝えたい』と言うんです。僕も彼女も、北海道に対して何かできることをしたいという、どうしようもない思いがあるんですよね。もうそれは、性としか言いようがない。北海道の魅力を伝える映画を作って、その結果、たくさんの人に北海道に来てもらうことができたら、何よりです」。

ヒロインのエリカ役を演じる安藤は、「私は新興住宅地で育ったので、いわゆる“故郷”と呼べるものがなくて。だから自然の景色にも憧れるし、そうやって鈴井さんや大泉さんが故郷を愛する気持ちにも憧れる」とうなずく。「今回、『こんなに素敵なんだよ』と自慢できる故郷がある彼らの世界に入ることができた。北海道の美しいもの、あたたかいものを制作陣が心から届けようとしていてるので、映画を見た人は、きっと北海道への興味や愛を持って、その土地に降り立つんじゃないでしょうか」。

エリカは、テキパキと料理を作り、誰よりもおいしそうにワインを飲み、周囲にあっという間にとけ込む女性だ。「エリカは料理を作って食べるシーンが多かったので、カットがかかると目の前にある食材をずっと食べてました」と安藤。色鮮やかな食事に、映画を見た後はお腹が空くこと請け合いだが、これらの食材もすべて、地元北海道の生産者がこだわって丁寧に作ったものだそう。

安藤は「食材は北海道の色々なところから提供されているんです。お野菜ももちろんおいしいんですが、私が思い出深いのは、みんなで宴会をやって、エリカがザクザクとベーコンを切って食べるシーン。そのベーコンの塊がすごいおいしくて!あの時ばかりは、本当にお酒が飲みたかった!」と嬉しそうに語る。大泉はそのシーンには出演していないため、「そのベーコンを食べていない」のだとか。

さらに「みんなそのベーコンの話をしていて、とても悔しかった!」とこぼす大泉。本作のモチーフになっているワインについては「私は北海道の人間でありながら、北海道にこんなに美しい葡萄畑がやワイナリーがあるいうのは知らなかった。北海道にこんなにおいしいワインがあったのは、新しい発見でした」と新鮮な驚きがあったようだ。

ワインが熟成していくように、人も厳しい冬を乗り越えた先に幸せが見えてくるもの。ひとしずくの涙の持つ意味を教えてくれる本作だが、2人にとって“幸せな涙”の思い出はあるだろうか?今やシンガーソングライターとして絶大な人気を誇る安藤は、「ギリギリ良いところまでいっても、なかなかデビューに至らなかった」とデビューまでの道のりを述懐。

「自主制作のCDを作っていたんですが、当時の社長が知人のDJの方にCDを渡していてくれて。ある日、『すごい好きな曲があるので、かけます』と言って、その方がラジオでかけてくれたんです。もう音楽を辞めようかなと思っていた頃だったので、『誰かが私の曲を好きだと言ってくれているんだな』と思った時にすごく嬉しくて。涙が出ました」。

すると大泉も「誰かの反応をもらって泣くことはありますね」と同調する。「僕は自分が楽しいと思ってやっているだけなんだけど、ファンの感想を読んだりして、そのことで勇気づけられてくれている人がいることを知るとじわっとくる」としみじみ。「あとは先日、17日間も娘に会えなくて。やっと保育園で感動の再会を果たした瞬間に、娘を抱きしめて、それはもう映画のように泣きました」と告白。

「一目散に娘が僕の方に走ってきて、この3年間でこんなことはなかったというくらいに、娘も僕を強く抱きしめたんです」というが、「ただね、娘は泣いていませんでした。ケロッとしているんですよ。僕だけなんだな、泣いているのはと思って」とポツリ。「商売柄、なかなか家族といられないので、家族とご飯を食べているだけでとてつもなく幸せです」と、噛み締めるように語っていた。【取材・文/成田おり枝】

■大泉洋
ヘアメイク:白石義人(ima.)
スタイリスト:九(Yolken)

■安藤裕子
ヘア:HIROKI(W)
メイク・スタイリング:安藤裕子
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