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今回のオスカー作品賞、もし一般人が選んだら?

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今回のオスカー作品賞、もし一般人が選んだら?

1月15日に、第87回アカデミー賞ノミネーションが発表された。オスカーに選ばれる作品と、一般客から好まれる作品に大きな隔たりがあることはかねてから問題になっており、「映画の存在すら知らない」と答える人も多く存在する。

今回選ばれた作品賞8本を見てみても、クリント・イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』(2月21日公開)以外は、歴史もの、イギリスの実在の人物を描いた作品など、大衆向けの作品ではないうえに、インディーズ系の映画会社が製作した作品が多く、公開館数も少ない。そのため、全米の興行成績も1億ドル(約118億円)を超えていない。

そんな中、ロイターとIpsosが共同で、1月16日から23日の間に、2385人の一般のアメリカ人に対して、「オスカー候補作を選ぶとしたら」というタイトルで、オスカーに選ばれるはずだった作品も加えた計15本の作品についてオンライン調査を行った。

その結果、22%のアメリカ人が『アメリカン・スナイパー』を選んだ。全米で16日から拡大公開されている同作は、アルカイダ一掃作戦に参加した米軍の狙撃手が主役で、週末の興行成績が2週連続で首位となり、興行成績もすでに2億ドル(約235億万円)を超えていることから知名度も高い。

2位は、8%の人が『Selma(原題)』と答え、3位は4%の人が『6才のボクが、大人になるまで』(14)と答えているが、48%の人がわからないと答えている。この背景には、ダントツといわれる作品がないこともあるが、ノミネートされた作品そのものを知らないことも、大きな要因の一つとなっているようだ。

アンケート調査では、候補作に選ばれなかったデヴィッド・フィンチャー監督作『ゴーン・ガール』(14)を観賞した人が最多の12%、ロブ・マーシャル監督のミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』(3月14日公開)と『アメリカン・スナイパー』を見た人が各9%、『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)が8%、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(4月公開)が4%となっており、「今年のノミネート作品は、これまでで最も多様性がない」といわれている評価をもろに反映する結果となった。

第87回アカデミー賞の授賞式は、現地時間の2月22日にドルビー・シアターで開催されるが、『アメリカン・スナイパー』の快進撃で、どこまで視聴率の下落を抑えられるかに注目が集まっている。【NY在住/JUNKO】

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