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3分でわかるカンヌ国際映画祭(1)

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3分でわかるカンヌ国際映画祭(1)

カンヌ国際映画祭はフランス南部、地中海に面したコートダジュールにあるリゾート地カンヌで開催される世界最大の国際映画祭だ。

カンヌはパリから飛行機で90分、ニース空港から車で40分マルセイユ寄りにある街。極端に言うと、“フランスの熱海”といったら叱られるだろうか。世界的に有名な高級リゾートである。

この街で映画祭が開かれるようになったのは1946年。ムッソリーニの肝入りで始まったヴェネチア国際映画祭に対抗してスタートした。以来、68年に一度中止されたので、今年で62回目。映画を取引する見本市マルシェも併設され、上映本数・参加人数ともに世界最大。ヴェネチア、ベルリンとあわせて三大国際映画祭と認められる由緒ある映画祭なのだ。

カンヌ映画祭には公式上映とマルシェ、そして二つの並行週間がある。公式上映には、最高賞パルム・ドール(Palme d'Or=金の椰子)賞を争う長編・短編コンペティション、ある視点部門、招待作品、学生映画部門がある。並行週間には監督週間と批評家週間があり、公式上映とは別組織で運営されている。この全部をひっくるめて、カンヌ国際映画祭と総称されているのだ。

コンペティション部門では、パルム・ドールの下に、グランプリが続き、審査員賞、男優賞・女優賞、監督賞、脚本賞がある。短編にもパルム・ドールと審査員賞が与えられる。ある視点部門には大賞と審査員賞がある。

《編集部注:そもそも初めのうちは、最高賞を「グランプリ」としていたが、1955年にトロフィーの形にちなんで正式名称を「パルム・ドール」とし、「グランプリ」と呼ばれてもいた。1965年〜1974年の間、最高賞の正式名称を「グランプリ」に戻すも、1975年に再び「パルム・ドール」となり現在に至る。

また、「グランプリ」には様々な別称がある。1990年〜1994年の間は、「グランプリ」と「審査員特別賞」の合わせ技である「グランプリ審査員特別賞」。1995年〜2001年の間は、「グランプリ・カンヌ95」といった西暦が入った名称になる。2002年以降は、「グランプリ」に戻り、現在の形に落ち着いている。》

これらの決まった賞以外に、どの部門も審査員の気分で(!)随時特別賞が作られ授与されるのがカンヌらしさ。作家のオリジナリティをたたえる映画祭の心意気である。

⇒3分でわかるカンヌ国際映画祭(2)に続く。【シネマアナリスト/まつかわゆま】

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