竹内結子と大竹しのぶが語る、喜びと悲しみの意外性|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
竹内結子と大竹しのぶが語る、喜びと悲しみの意外性

インタビュー

竹内結子と大竹しのぶが語る、喜びと悲しみの意外性

人間の頭の中の感情をキャラクターとして描く!?そんな奇想天外な世界観を描いた、ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』(7月18日公開)で、日本語吹替版キャストを務めた竹内結子と大竹しのぶにインタビュー!

全米では6月19日に公開され、公開3日間で9044万ドルを突破し、完全オリジナル映画としては『アバター』(09)を引き離して、歴代ナンバー1のオープニング記録を達成した。そのただならぬ魅力について、2人に話を聞いた。

11才の少女ライリーの中にある5つの感情“ヨロコビ”“カナシミ”“イカリ”“ムカムカ”“ビビリ”は、彼女の幸せを守るために、日々奮闘している。ところがあることをきっかけに、ライリーが笑顔をなくし始める。危機感を感じたヨロコビは、ライリーのためにある行動に出る。

ヨロコビとカナシミは相反する関係性なのに、その友情が丁寧に描かれていく。ヨロコビ役の竹内は最初に、カナシミという存在がライリーにとって、一体何の意味があるんだろう?という疑問から入った。「でも、ヨロコビがカナシミといっしょに冒険に出ることで、カナシミがなぜ必要なのかということに気づいていく。ヨロコビという感情自体も成長していくんだなと感じました」。

カナシミ役の大竹は「カナシミはヨロコビに寄り添っていて、ヨロコビがいないと生きていけないんだと、私は私で思っていました。ヨロコビがいるから、カナシミは悲しんでいられる、甘えていられるんです。きっと『悲しいよ』と言うのは、『やさしくして』という思いがあるからじゃないかな」と解釈する。

ライリーの頭の中には、いろんな島がある。その中でも本作のテーマをいちばん象徴しているのが、家族の島だ。竹内は「最初の島が壊れていく、いまの自分のあり方がどんどん変わっていく。でも、関係性が続くものについては、より大きくてしっかりとした島が再びできていくんですね。また、自分の成長にとって必要のないものは自然と淘汰されていくんだなと思ったりしました」と感慨深い表情を見せる。

大竹がいちばん心を震わせたのは、ライリーの誕生シーンだ。「最初にヨロコビがいるんです。人はみんな喜ばれて産まれてくるというところから始まり、最初の島はどんどんなくなっていくけど、大人になればまたいろんな島が出てきて、それを感情たちが見てる。大人になっていくというのは、そういうことなんだなと」。

竹内も、本作を観て、いろんな思いが頭の中を駆け巡ったそうだ。「大人になってもずっと迷い続けるんだなと思いました。大人は、感情をコントロールしてしかるべきみたいなところがあるから、自分では多少のことはちゃんとできているつもりだったけど、ライリーと同じようなことが起きているんだなと。だから、もう少し心を広くもって人と接しようと思いました」。

大竹も母親としての自分をこう振り返った。「子供は、こんなことを考えているんだなと改めて思いました。子どもが無理をしたりしていることはわかっているつもりなのに、見過しちゃったりもしているんだろうなと。大人である私たちから見ると、本当に勉強になるなと思いました。結子ちゃんも言っていたけど、無理をしないで、自分の心に嘘つかないでと、言ってあげたいです」。【取材・文/山崎伸子】

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