本田翼、佐藤浩市との共演は「充実の日々」と笑顔!
第28回東京国際映画祭クロージング作品『起終点駅 ターミナル』(11月7日公開)の舞台挨拶が10月31日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、篠原哲雄監督が登壇。佐藤が「日本的な、日本映画らしい映画を持ってこられて光栄」と映画祭での上映を喜んだ。
東京国際映画祭への参加は6度目となった佐藤は「6回ほどお邪魔をして、そのたびに映画祭が華やかになっていく。映画が祭りの中心にあって、それで人が集い、映画を語り合い、その輪が大きくなっていく。それを実感することほどうれしいことはありません」と映画祭の意義を熱く語った。
直木賞作家・桜木紫乃の同名小説を映画化した本作。北海道・釧路で国選弁護人をしている心に傷を抱えた男が依頼人の女性とのふれあいを通して、生きる道を見出していく姿を描く。本田は「原作と自分の設定がだいぶ違ったので、映画になるときにそこを変えるということで、どうしていけばいいのかと考えました」と不安だった気持ちを吐露。佐藤との共演に支えられたようで、「浩市さんとの二人芝居がほとんどで、毎日緊張していたのですが、浩市さんの仕事に対する姿勢を目の前で見ることができて、本当に充実した日々でした」と晴れやかな笑顔を見せていた。
また、佐藤演じる完治のような男をどう思うか?と聞かれると、本田は「静かに物事をとらえる人。料理をすることに熱中しているので、ひとつのことの集中できる方は素敵だと思います」とにっこり。尾野は「一人の女性を長く想う。そういう男性が世の中、多いのではないかと。私の周りは多いです!」と男性観を語り、会場の笑いを誘っていた。
篠原監督は「(主人公は)自分の罪を感じて、自分に罰を課しながら生きている男。この男の人生を通して、人はもう一度、生き直すことができるんだということをしみじみと描いた」とコメント。「最近、日本映画というと仕掛けの大きいものがうける時代になっていると思いますが、日本映画の中でも王道のような、きめ細やかな感情を描いたつもりです。自身と照らし合わせながら、自分の人生を振り返るきっかけになればうれしい」と胸を張ってアピールしていた。【取材・文/成田おり枝】