「ゲーム・オブ・スローンズ」役者陣が「殺さないで」と懇願!?
物語の壮大なスケール、複雑に絡み合う人間の業、過激な暴力・性描写…。あらゆる面でTVドラマの常識を覆してきた「ゲーム・オブ・スローンズ」(以下、「GOT」)、その新シリーズ「第六章:冬の狂風」が、スターチャンネル1にて本日10:00からついに日米完全同時放送される。
そこで、4月19日に初来日を果たしたキャスト、メイジー・ウィリアムズにインタビューを敢行!新シリーズの内容はトップシークレットらしく、メイジーも「出演者の私ですら本編はまだ見てないの(笑)」と苦笑していたが、そんな彼女にしか明かせない「GOT」の舞台裏のあれこれを聞いた。
架空の大陸を舞台に、7つの王国の覇権争いを描いた「GOT」。世界中で根強いファンを獲得した理由について、メイジーは「とにかく1話1話が映画のように壮大だし、バトルシーンにも迫力がある。ロケーションはいつも素晴らしいし、キャラクターも個性豊かで…。理由はいくらでも挙げられるわ(笑)」と誇らしげに答えてくれた。
活況を見せるドラマ界にあって、昨年のエミー賞で歴代最多の12部門獲得した「GOT」は、名実ともにトップのドラマ。他の作品にはない「GOT」の特徴は、同時並行する複数のストーリーラインにあるとメイジーが解説する。「普通、ドラマでは1~4人ぐらいの登場人物がお話をリードするけど、『GOT』はストーリーラインがたくさんある…つまり主役がたくさんいるの。しかも、その主役が命を落とすこともよくある(笑)。これは他の作品にはない特徴ね」。
メイジーが演じるアリア・スタークは、王国の覇権争いによって家族と別れ、孤独な旅を続ける少女。スターク家の人間はみな誠実で忠誠心に厚いが、それゆえに他者から利用され、裏切られ、多くの血を流すことになる。「スターク家はツイてない家柄だと思うわ(笑)」と微笑むメイジーだが、演じる側には負荷がかかるようで「事実、アリアには悲しくて過酷なシーンが多い。撮影を終えて家に帰った時はかなり落ち込んじゃうけど、同じスターク家の(サンサ・スターク役を演じる)ソフィー・ターナーと一緒にパーティーに行って、なんとか気分を切り替えてるの」と少女らしい苦悩も口にした。
スターク家に限らず、「GOT」といえば主要キャラが簡単に殺されてしまうことで有名。撮影現場はどんな雰囲気なのか…。「人が死ぬシーンの多くは、特殊メイクとか技術的な決まりごとがたくさんあって、とても緊張感がある。殺される側の役者は撮影の最終日になるわけだから、現場がしんみりすることもあるわね」とメイジー。しかし、すべてが暗いムードではないようで「(アリアの父)ネッド・スタークが処刑される場面で私やソフィーは感情的な演技を求められたけど、すぐに気分転換してみんな楽しくワイワイと撮影してたわ。斬首されたネッドの頭が転がっているなかでね(笑)」とブラックジョーク交じりに明かしてくれた。
ただ、キャストにとって笑っていられないのは、自分の演じるキャラがいつ死んでもおかしくないということ。第一章から出演しているメイジーも戦々恐々としているらしい。「私だけじゃなくて、キャストはみんなプロデューサーに会うたびに『どうか殺さないで!』って懇願しているわ(笑)。ある時、インターネットに冗談めいたファンの書き込みがあったの。『もしアリアが殺されたらどうするか。俺はデモを起こして抗議する』って(笑)。キャストだけじゃなくて、『次に殺されるのは誰か?』に大勢の人の関心が向いてるのね」。
メインキャラクターのジョン・スノウが仲間に刺されるという衝撃的な展開で幕を閉じた前章。原作の内容を前章で使い切っているため、新シリーズでは原作の先を描くことになる。これにはメイジーも「前章まではある程度ストーリーが予測できたかもしれないけど、新シーズンでは誰も展開が分からないわ!」と興奮気味だ。
「アリアのストーリーラインに関しては、どん底に落とされた彼女がまた這い上がれるか?という物語になる。きっとアリアの新しい側面が見れるはずだし、どういう風に視聴者のみなさんの目に映るのか、すごく楽しみ!」。【取材・文/トライワークス】