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佐藤浩市「答えづらい質問への対処法」を聞かれて苦笑い

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佐藤浩市「答えづらい質問への対処法」を聞かれて苦笑い

横山秀夫のベストセラー小説を2部作として映画化したミステリー『64-ロクヨン-前編』の大ヒット舞台挨拶が5月22日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。佐藤浩市と、ジャーナリストの鳥越俊太郎が登壇し、客席からの質問に答えた。佐藤は「今年で56歳になりますが、いい大人のくせに組織に属したことが一度もございません。三上が組織のなかでどう生き、対外的に向ける顔と、内側で見せる顔についてが、僕にとっては非常に興味のある部分でした」と熱い思いを告白した。

客席の新聞記者から、答えづらい質問を向けられた時の対処法を聞かれた佐藤は「それを教えてしまうと、今後、成立しなくなってしまう」と苦笑い。「今回の役の広報官とはちょっと違い、我々がやる会見に正義とかはあまり関係ないので。倫理は問われますが、問われれば一般論として答えなければいけないけど、そうじゃないところで生まれるものも確かにあります」と持論を述べた。

平成生まれの観客からは、平成と昭和の時代の違いについて質問が上がる。佐藤は「先人先達の映画人の頃は、扉が閉まらないくらいお客さんが入るという立ち見だった。その時代に生きてきた先人たちが非常に自由でうらやましいです。でも、我々はいろんな規制がある分、いろんなことを広げて想像できる。僕は、その両方を見てこれたのが良かったです」と力強く語った

鳥越は、『64』で描かれる1989年について言及した。「(昭和)64年、1989年に、東西冷戦が終わるんです。それから核戦争の恐怖はなくなったけど、実際には2001年に9.11が起こり、アメリカとイスラム原理主義勢力との戦いが始まり、どこで自爆テロがあるかわからないところで我々は苛まれている。日本だけに限っていえば、昭和は経済が右肩上がりで、希望を持っていたが、平成になってからは不安が常につきまとっている。その境目で起きたのが『64』で、まさに昭和と平成の間で生きた事件です」。

『64-ロクヨン-』は、わずか7日間しかなかった昭和64年に発生し、未解決となっている少女誘拐殺人事件の解明に挑む元刑事の広報員(佐藤浩市)と、彼を取り巻く人々のドラマが描かれる。現在公開中の『64』前編は、公開15日間の5月21日までに77万4613人を動員し、9億4768万600円をマークした。【取材・文/山崎伸子】

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