生田斗真、『秘密 THE TOP SECRET』の“大友式ダイエット”を語る|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
生田斗真、『秘密 THE TOP SECRET』の“大友式ダイエット”を語る

インタビュー

生田斗真、『秘密 THE TOP SECRET』の“大友式ダイエット”を語る

清水玲子の同名人気コミックを実写映画化した『秘密 THE TOP SECRET』(8月6日公開)で、『るろうに剣心』の大友啓史監督と初タッグを組んだ生田斗真。心身共に俳優を追い込む演出で知られる大友監督の現場は、役者陣が痩せていくということで“大友式ダイエット”とまで言われているとか…。生田に取材し、過酷さを極めつつも充実感を感じたという大友組の撮影秘話を語ってもらった。

生田が演じたのは、被害者の脳をスキャンして生前の記憶を映像化し、迷宮入り事件を解決していく警察庁の特殊脳内捜査チーム、通称“第九”の室長・薪剛役だ。薪は、新人捜査官・青木一行(岡田将生)らと共に、家族を惨殺した死刑囚の記憶を確認する。そこには死刑囚の娘・絹子(織田梨沙)が家族に刃物を向ける姿が映っていた。

コミックを実写映画化した『僕等がいた』(12)や『土竜の唄』シリーズ(続編が待機中)、『予告犯』(15)では、バラエティあふれる役柄にトライした生田だが、今回の薪剛役にはかなり苦戦を強いられた。

「最近、わりと特種な役柄を演じることが多く、それらはいずれも発散できるタイプでした。でも、今回の薪はそうではなく、内面からにじみ出てくるような役柄で。そういうアプローチのお芝居はこれまでやったことがなかったから、それを経験できたことはすごく大きかったと思います」。

覚悟を決めて入った大友組。生田は、クランクイン前まで何度も大友監督と会って、いろいろとディスカッションを重ねた。「監督から『新しい生田斗真を見せてほしい』とか『俺を驚かせてくれ』とか、散々言われるんです。でも、クランクインした後は『好きにやってください。どうぞ』という感じで、そこは意外でした。ずっと補助輪をつけて後ろをもってくれていたのに、いつのまにか離されていたという感じです」。

近未来という時代設定では、第九のセットが素晴らしかったと言う。「端から端まで、どこでお芝居をしても大丈夫ですというくらい細かくできていたセットでした。まさに、闘技場みたいな感じで、そこにポーンと投げられ『好きにやってください』と言われるので、プレッシャーと同時にうれしさみたいなものも感じました。全員が大友監督の『ああ、いいね』という顔が見たくてやっていました」。

“大友式ダイエット”について「大友組はだんだん痩せていくので、そう言われていました」と苦笑い。「メイクチームから『前の作品で、ずっと毎朝フレッシュジュースを作って俳優さんたちに配っていた』という話が出たので、僕がジューサーをプレゼントし『これで僕らの健康をキープしてください』と言いました。毎朝ジュースを作ってもらったのですが、フレッシュな果物や野菜を買い込むから、今度はこれを保存する冷蔵庫がないということで、岡田将生が冷蔵庫を買わされました(笑)。そのおかげで毎日健康的で爽やかな朝を迎えられましたし、癒しの時間となりました」。

実際に、現場はかなりハードだったようだ。「大変でしたね。みんながそれぞれ追い込まれていく感じでした。ちょうど別のスタジオで『母と暮せば』(15)や『テラフォーマーズ』(16)、『信長協奏曲』(16)なども撮影していて、外に出るといろんな人たちと会ってにぎやかでした。僕らが脳内映像を撮った後、疲れ果てて外に出ると、ニノ(二宮和也)が帰る時間なんです。山田(洋次)組(『母と暮せば』)は『早いからいいなあ』と言っていました」。

でも、生田はそうやって苦しむ映画だからこそのやりがいはあったと言う。「やっぱりお客さんとしては、俳優が苦しそうな姿を見るのは楽しいと思うんです。僕らは辛いし大変なんですが、充実感ややりがいもありますし。そういう意味でこの作品に出会えたことはうれしかったです」。

生田は本作の手応えをこう語る。「観ればかなり疲れますが、感情の一部をがっつり持っていかれるような映画になったと思います。映画館に入ってくる時と出た時で、世界の見え方が変わるような作品になったのではないかと。心地良い疲れや心地良い頭の痛さを持ち帰ってもらえたらいいなと思っています。【取材・文/山崎伸子】

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