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『沈まぬ太陽』の渡辺謙、異例の“L.A.生中継”の舞台挨拶!

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『沈まぬ太陽』の渡辺謙、異例の“L.A.生中継”の舞台挨拶!

渡辺謙主演、山崎豊子原作の『沈まぬ太陽』(10月24日公開)の完成披露舞台挨拶が、東京国際フォーラムのホールAで行われた。

暗闇の中、渡辺謙の挨拶が会場に響く。ステージの幕が上がると、『沈まぬ太陽』のメインイメージである、強烈な“サバンナの赤い夕陽”が描かれた背景が現れ、ホールの客席両脇扉から三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二らキャストが登場、客席間の通路を通って登壇した。

しかし、主演の渡辺謙の姿がない……と思いきや、ステージ上から大きなスクリーンが登場。実は、彼は、レオナルド・ディカプリオとの共演のハリウッド作品『Inception』(原題)の撮影で現在アメリカのL.A.におり、生中継(!)での参加であった。彼の顔がスクリーンにいきなり大写しになったため、観客は笑いまじりでざわついたものの、会場はなんとなく温かな雰囲気に。

渡辺は、「その場にいられなくて本当にごめんなさい」と何度も丁寧に挨拶。その場にいた観客たちは、「わかってるよ、がんばってね」と思っていたに違いない。

本作で、渡辺扮する主人公・恩地は、航空会社の労働組合委員長として会社側と団体交渉を行った結果、会社からにらまれ海外僻地に飛ばされることになる。パキスタン、イラン、ケニアと、海外を転々とする姿を追い、原作の持つスケール感と時代背景を活かして撮影が行われたという。

ケニアに飛ばされる主人公。そのサバンナに立ったときの気持ちを聞かれた渡辺は、「すごく深い海の中に酸素ボンベを付けずに降り立った気がしたんですね。僕がどこの国の人間であれ、どこの出身であれ、どんな名前であれ、今までどんなことをしてきたか関係なく、一個の動物として立つことができ、恩地という人間の役を作る上で、大きなインパクトがありました」と熱く語った。

渡辺は、元々「沈まぬ太陽」の原作者である山崎豊子の作品の虜で、本作の映画化の話が持ち上がっているという話を聞き、キャスティングがまだ決まっていない段階で、彼女にアピールの手紙を送ったという。『白い巨塔』(66)の田宮次郎を尊敬する渡辺にとって、この主人公・恩地は力がこもった役だけに、不器用で実直な男をどんな風に演じるのか楽しみだ。

最後に渡辺は、落ち着いた声で「日本でも世界でも様々な困難に立ちはだかっています。もしこの映画が明日への希望の光になればとありがたいなと思っています」と観客にメッセージを送った。

世界を相手に活躍する俳優・渡辺謙の渾身作『沈まぬ太陽』。彼がスクリーンに映った、骨のある日本映画に期待は高まる。【Movie Walker/堀田正幸】

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