追想(1975):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
追想(1975)
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追想(1975)

1976年3月13日公開、101分、戦争/バイオレンス
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第二次世界大戦末期、ナチ親衛隊に最愛の妻と妹を虐殺された医師の凄まじい復讐を描く。製作はピエール・カロ、監督は「ラムの大通り」のロベール・アンリコ、原案はアンリコとパスカル・ジャルダン、脚本はジャルダンとクロード・ヴェイヨ、撮影はエティエンヌ・ベッケル、音楽はフランソワ・ド・ルーベ、編集はエバ・ゾラが各々担当。出演はロミー・シュナイダー、フィリップ・ノワレ、ジャン・ブイーズ、マドレーヌ・オーズレー、ヨアヒム・ハンセン、ロバート・ホフマン、カトリーヌ・デラポルテなど。2017年9月9日よりデジタルリマスター版を全国順次上映(配給:コピアポア・フィルム)。

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ストーリー

一九四四年、ドイツ占領下フランスの小都市モントバン。町の病院に勤務する外科医ジュリアン・ダンデュ(フィリップ・ノワレ)は、美しい妻クララ(ロミー・シュナイダー)、娘フロランス(カトリーヌ・デラポルテ)、母(マドレーヌ・オーズレー)の四人でつつましくも平和な家庭を築いていた。しかし戦争の暗雲は容赦なくこの静かな町にもたれ込み始め、連合軍の上陸に備えるべく、ドイツ軍は親衛隊を先頭に全市町村の掃討作戦を開始した。ジュリアンの病院にも連日ドイツの傷痍兵やテロリストの重傷者が担ぎ込まれてきた。家族の身を案じたジュリアンは、同僚であり友人でもあるフランソワ(ジャン・ブイーズ)の勧めもあって、クララとフロランスを自分の城のあるバルベリー村へ疎開させることにした。それが悲劇の発端だった。妻子と別れてから五日、彼は無性に二人に会いたくなった。戦時下とは思えない南フランスの緑豊かな風景を横に見ながら彼は車をとばした。城は村はずれの絶壁にいつもと変わらぬ偉容を誇り、聳え立っていた。宿舎の部屋には妻と娘の姿は見当らない。礼拝堂には老若男女村人全員の射殺死体が転がっていた。地獄のきわみともいえる殺害現場に思わず嘔吐するジュリアン。彼は城の中庭へ走った。そこにはフロランスが血に染まって倒れ、そのそばに黒こげの死体が転がっていた。ドイツ軍の集団暴行を受け、火炎放射器で焼き殺された最愛の妻の無残な姿、そして娘の惨殺死体。彼は勝手知った城の秘密通路を通り、隠してあった一挺のショットガンをとり出した。そして橋桁をはずして城館を孤立させた。地下室のワインを呷りジュリアン一家の幸福だった頃のホーム・ムービーに歓声をあげるドイツ兵。それをマジック・ミラーの奥から涙にむせびながら身を震わせて凝視するジュリアン。クララとフロランスの楽しかった頃の想い出が走馬燈のように胸裡をかけめぐる。ビリアッツの休暇でクララと初めてあった日のこと、妻と別れた直後、母の愛に飢えていたフロランスはたちまちクララになつき、仲のいい姉妹のようだった。永遠の愛を誓い、周囲に祝福されての再婚。フロランスの洗礼式、そして小学校の卒業式。ジュリアンは神出鬼没の行動で整然とドイツ兵を粛清していった。本隊への合流を急ぐあまり車もろとも橋桁と転落死するもの。ロープを伝って逃げようとして狙撃されるもの。城の地下で水責めにされるもの……。残るは隊長(ヨアヒム・ハンセン)ただ一人になった。ジュリアンの怒りの火炎放射器が彼に向けられた。同時に城も炎に包まれた。ナチス・ドイツによる犠牲者たちを弔うかのように立ち昇る黒煙。慰めにかけ寄るフランソワの言葉も上の空、放心したように遥か彼方を見つめるジュリアンの瞳には、しかし複雑な笑みが浮かんでいた。

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作品データ

原題
Le Vieux Fusil
製作年
1975年
製作国
フランス
配給
ユナイト
初公開日
1976年3月13日
上映時間
101分
製作会社
マーキュリー・プロ=A・A・P=TITフィルム
ジャンル
戦争バイオレンス


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