野性の少年:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
野性の少年
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野性の少年

1970年12月19日公開、86分
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野に育ち、文明の光栄に浴さなかった少年が、周囲の暖かい眼の中で、人間性にめざめてゆく。製作は「暗くなるまでこの恋を」のマルセル・ベルベール、監督はおなじく「暗くなるまでこの恋を」のフランソワ・トリュフォー。ジャン・イタール医師のレポートを基に、フランソワ・トリュフォーとジャン・グリュオーが脚本を執筆。撮影はネストール・アルメンドロス、音楽はビバルディのバロック調を使用し、アントワーヌ・デュアメルが監督している。出演は、数千人の少年の中から主人公に選ばれたジャン・ピエール・カルゴル、医師役を自から演じるフランソワ・トリュフォーのほかに、ポール・ビレ、ジャン・ダステ、フランソワ・セニエ、クロード・ミレ、アニー・ミレなど。万博日本国際映画祭出品作品。

ストーリー

フランス中部の森林地帯アベイロンで、獣の習性をもった、野性の少年が捕えられた。百姓たちはその処置にこまったが、ひとり、レミー老人(P・ビレ)だけが、この野性児に愛情ある接し方をした。やがて、少年はパリの研究所に、研究のため引き取られた。そこのイタール博士(F・トリュフォ)と上役のピネル教授(J・ダステ)が少年を検査した結果、彼は赤ん坊の時、両親に喉を切られ、死んだと思って森に捨てられた、ということになった。この傷によって、少年は十二歳位だと判断された。少年は世間の関心を集め、見世物にされたり、悪戯されたりした。その興味が薄れた時、少年はもっと悲惨に扱われた。これをみかねたイタールは、少年の薄弱的症状は、人間文化の不足によるものだとして、自分の家に引き取って、自説を証明しようとした。ビクトル(J・P・カルゴル)と名づけられた少年は、その日から、人間になるための困難な道を歩みはじめた。イタールはその過程を、刻明に記録していった。それは人間味あふれる闘いであり、感情のコミニュケーションであった。家政婦のゲラン夫人(F・セニエ)も、やさしい心で少年に接し、協力した。少年の感性は、目覚めつつあった。初めて涙をながし、初めて「ミルク」と言った。そして、不当に罰せられると、反抗するようになった。これは大きな進歩であった。イタールは喜びのあまり叫んだ。「君はもう人間だ」。しかし、イタールにも失意の日はあった。絶望的になり、自分のしていることの意味がわからなくなることもあった。そして、ついにある日、ビクトルが逃亡した。だが、人間的感情を身につけてしまった少年には、一人ぼっちで自然にいることは耐えられなかった。みじめな様子でもどってきた少年を見て、イタールは自分の行ってきたことの成果をこんどこそ確信した。その時から、また彼とピクトルの新たなる勉強が、始まったのだった。

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作品データ

原題
L'Enfant Sauvage
製作年
1969年
製作国
フランス
配給
ユナイト
初公開日
1970年12月19日
上映時間
86分
製作会社
レ・フィルム・デュ・キャロッス


[c]キネマ旬報社