雨のエトランゼ:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
雨のエトランゼ
雨のエトランゼ
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雨のエトランゼ

1971年9月11日公開、社会派
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錯綜する現代社会に歪められた、異常な愛を描いた作品。監督は新鋭セルジオ・ゴッビ、仏推理大賞を受けたドミニク・ファーブルの「美しい野獣」をセルジオ・ゴッビ、ジョルジュ・タベ、アンドレ・タベが共同脚色、撮影はダニエル・ディオ、音楽は「扉の影に誰かいる」のジョルジュ・ガルヴァランツが各々担当。出演は「地獄に堕ちた勇者ども」のヘルムート・バーガー、ヴィルナ・リージ、シャルル・アズナヴール、フランソワーズ・ブリオン、「ガラスの部屋」のアラン・ヌーリーなど。

ストーリー

ナタリー(V・リージ)は真向いの八階のヴェランダから、白い夜着をまとった女が飛び下りるのを目撃した。そして同じヴェランダに、死んだ女の夫らしい美しい男が、じっと彼女を見詰めていた。男はアラン・ルボン(H・バーガー)といい、死んだ女は彼の新妻であった。ナタリーの証言で、事件は自殺ということで落着したが、担当刑事のルロワ(C・アズナブール)は事件の裏に何かあるとふんで、執拗に捜査を続行した。ナタリーが部屋に帰ると受話器が鳴った。アランからだった。彼女が窓を開けると、向いのヴェランダに受話器を握った彼の姿があった。二人は互いの姿を見合いながら話し続けた。その夜のデートはナタリーを陶酔させた。妻が自殺したというのに平然と自分を誘う、金持で美しいアランの、その悲しげな横顔に魅入られたナタリーは、ぐんぐん引摺られていく自分を感じていた。そして、現在の恋人バンサンは過去の人となり、ナタリーはアランと結婚した。甘美な陶酔を約束したはずの初夜も、ベニスへのハネムーンでも、アランは一度もナタリーを抱こうとはしなかった。パリに帰ってもアランの行動は奇妙の連続で、ナタリーとは一度も愛を交さないで、ナタリーの友達ジャクリーヌ(F・ブリヨン)とはベッドを共にした事実があった。ナタリーは苛立ち、アランと別れる決心をして、荷物をまとめた。その時ナタリーの前にアランが立ちふさがり、次々と部屋の鍵をかけ彼女に迫った。半狂乱になったナタリーは浴室に逃げこみ、打割った鏡で手首を切り、気絶した。アランはそんな彼女に一方的な愛撫をくりかえした。ナタリーはベッドで、前妻シルヴィが投身自殺をする前に、必死に求めた薬と同じものを与えられ、やがて彼女自らその楽を欲しがるようになり、次第に衰弱していった。ルロワ刑事はナタリーに警告を与えたが、今では、アランの異常な行為を正常と思う程愛しはじめていたナタリーの返事は変らなかった。翌朝、アランを訪ねてきたディノ(A・ヌーリー)は、アランと異常な行為を始め、夜のパーティでナタリーの耳にささやいた。「アランは嫉妬してる。君と僕を苦しめ自分も苦しんでいる。おかしな趣味さ」翌日、ナタリーは正式に離婚を申し出た。弁護士の前に座ったナタリーは事実上の夫婦でないことを打ち明けた。しかしアランの言葉が雷鳴のごとく彼女の胸をうった。「妻は妊娠しています」。すぐに産婦人科に駆け込んだナタリーは、初めてその事実を知ったのだ。そしてナタリーの内部にこみあげてくるものがあった。“私は愛されている”あの人が鉄則を破ったのだ、と。刑事は彼女をアランの緻密な罠から救おうと、彼の出生の秘密を明かした。「彼の母親は戦争中に暴行され、ドイツの精神病院に入り、御主人はそこで生まれたのです」しかしナタリーの反応は理解を絶するものであった。「彼には私が必要なのです」ナタリーはアランの部屋で、彼の帰りを待っていた。二人は抱き合ったまま、ヴェランダへにじり寄ると、二人の体は雨の帳の中を舞い落ちていった。

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作品データ

原題
Un Beau Monstre
製作年
1971年
製作国
フランス
配給
ヘラルド
初公開日
1971年9月11日
製作会社
パリ・カンヌ・プロ
ジャンル
社会派


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