帰郷(1971):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
帰郷(1971)
帰郷(1971)
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帰郷(1971)

1972年6月10日公開、戦争/文芸
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「戦争と平和」など七十ミリ文芸大作を製作してきたソビエトが、革命や内戦という巨大な嵐が吹き荒び帝政ロシアをソビエトに変えてしまった一九二〇年前後の激しい転換期に生きた人々の運命を描く。監督・脚本は、ソビエト国内で過去何本かコンビで作品を発表してきたアレクサンドル・アロフとウラジミール・ナウモフ。原作はミハイル・ブルガーコフの「逃亡」。撮影はレヴァン・パータシヴィリ、音楽はニコライ・カレトニコフが各々担当。出演はリュドミラ・サベーリエワ、・アレクセイ・バターロフ、ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー、タチャーナ・トカーチ、エフゲニー・エフスチグネーフ、ロマン・ホミャートフ、ウラジミール・オセーネフ、オレーグ・エフレモフ、ウラジミール・バソフなど。

ストーリー

「第一部・逃亡への道」一五二〇年、ソビエト南部のクリミア半島では、ソビエト革命の結果の内戦が終局に近づいていた。生誕間もない赤軍は、ウラゲン男爵を最高指揮官とする白衛軍が最後の拠点として足場を固めたクリミア半島に総攻撃をかけた。ここにはレニングラードやモスクワから、大臣、高官、貴族、工場主などが逃げ込み、本土とクリミア半島を結ぶ狭いペレコープ地峡には、白衛軍の敗残兵たちがしがみついていた。そんな逃げまどう人々の中に、美しい人妻セラフィーマ(L・サベーリエワ)と、偶然に知りあった大学講師ゴルーブコフ(A・バターロフ)がいた。二人は共に革命からのがれ、ペテルブルグから二〇〇〇キロの道を逃げのびていくうちに愛し合うようになっていた。このペレコープ地区方面の白衛軍を指揮するフルードフ将軍(V・ドボルジェッキー)は、悲惨な立場に追い込まれ、ヒステリー症状をたかめていった。部下を絞首刑にし、貨物列車を焼き払った。セラフィーマは捜し求めていた夫コルズーヒン(E・エフスチグネーフ)にめぐりあったが、彼は妻ではないといいはる。赤軍スパイの容疑をかけられている彼女にシラを切り、我が身を守ろうとする浅ましい考えだった。白衛軍を指揮するもう一人の将軍チャルノータ(M・ウリャーノフ)は、従軍看護婦に仕立てた愛人リューシカ(T・トカーチ)とクリミアまでやってきた。赤軍はたゆみない追撃を続け、白衛軍は最後の頼みにしていたペレコープ地峡も守り切れず逃げまどった。人々は我れ先に他国行きの船に乗り、チャルノータ将軍も自分の部隊を解散させ、セラフィーマを救いだし、リューシカと共にコンスタンチノープル行き船に乗り込んだ。またゴルーブコフもその後を追った。 「第二部・郷愁の調べ」高くそびえる寺院の塔、曲がりくねった細い道、にぎやかな市場。トルコのコンスタンチノープル(現存のイスタンブール)の町は、ロシアから亡命してきた連中でごったがえしてきた。チャルノータ将軍は子供用の土産物を売る大道商人になりさがっていたが、相変らずバクチだけはやめられなかった。ある日、リューシカがフランス人に躯を売っていたことを知る。立ち聞きしたセラフィーマは驚きのあまり飛びだすが、やがて彼女も街に立つようになる。そんな彼女を救ったのは、アコーデオンをひきながら彼女を捜していたゴルーブコフであった。彼は卑怯な夫コルズーヒンと話し合うために、今は心身共に挫折したフルードフにセラフィーマを託してチャルノータと共にパリへでかけた。コルズーヒンはパリで事業に成功し、豪勢な生活を送っていた。乞食同様の姿の二人は、話し合いに応じようとしないコルズーヒンに、フルードフからあずかったメダルを元に賭けを申し込んだ。結果はチャルノータの圧勝だった。札束をかかえて部屋を出ようとした時、コルズーヒンの情婦が降りてきた。チャルノータのかつての愛人リューシカであった。運命のいたずらに驚いたが、今さら二人の関係はいかんともしがたかった。コンスタンチノープルに戻ってきたゴルーブコフは、本当の他国はどこにあるのか、真実とは何かを考えた。たとえ躯は他国にあっても、心はロシアにあった。彼は一度別れようとしたセラフィーマとロシアに旅立った。二人が帰りついた故国ロシアには、雪が降り続いていた。「何もなかったのだ……。すべてが夢だ。また雪が降って、われわれの足跡も消える。涙もぬぐいさってくれる。」

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作品データ

原題
БЕГ
製作年
1971年
製作国
ソ連
配給
日本ヘラルド映画
初公開日
1972年6月10日
製作会社
モス・フィルム
ジャンル
戦争文芸


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